第28話 参謀本部 世界合併緊急対策軍本部

あれから30分くらいして10時になった。


相変わらず魔法少女としては上からの指示は無し、待機命令が出てるくらい。あーでも先行偵察の子たちはルーティーンでいろんな場所に派遣されている。それ以外の子たちも私達と同じく待機命令中。不安がってる子も多いけれど年齢の高い子が慰めていた。


そして参謀本部から連絡が来て招集されちゃったので対策軍の上に確認したらそっち行ってくれって言われたから今は2人で参謀本部の世界合併緊急対策本部の部屋に向かっている。

ちなみに対策軍本部と参謀本部は同じ軍部ではあるものの建物としても組織としても別。直通回路あるくらいには近いし蜜月の仲だけどね。



「到着いたしました。こちらが世界合併緊急対策軍本部になります、ノックは必要ありません」


「ありがとう」


「ん、ありがとう」



参謀本部側の直通回路出入り口からここまで案内してくれた軍人さんにお礼を言って目の前の大きな両開きの扉を開けて中に入る。



「ではどうしろと言うのだ!」


「それを今考えているのだろう!」


「落ち着け2人とも!」


「軽く調べただけでも排他的経済水域から少し離れれば海底の地形が全く分からないのだぞ!そんな状況で潜水艦など運用できるかぁ!」


「沖縄の米軍基地からこっちの方針聞かれてますけどどう答えますか!?」


「知るかぁ!検討中だから待ってもらえ!」



...えぇ...........



「...カオス」


「...ね」



部屋の中に入ると巨大モニターがあったりいっぱい机と椅子があったりいろんな人がいろんな対応してたりと、ザ・対策本部だなぁという雰囲気だった。

カオスだけど。



「...どうしよう?」


「どうしよう」



2人で顔を見合ってもどうしたらいいかは分からない。

来いとは言われたが細かいところは何も言われてないのでこの先どこに行けばいいんだよ。統合参謀長官とは面識あるし探せば見つかりそうだけど...そのへんの人にでも聞くか。



「すみません」


「は、い!?」



適当に近くでPCを弄っていた男性に声をかけた。ものすごくびっくりさせちゃったっぽいけど。まぁ事情を知らないとなんでこんなところに魔法少女がいるのか?とは思うよねぇー



「呼ばれてきたのですが誰に話しかければいいかわかりますか?」


「え?...あー。あそこの机で怒鳴り合ってる将校いるでしょ?そこの手前側のお誕生日席の人が統合参謀長官だからその人でいいんじゃない?魔法少女でしょ君ら」



あ~というふうに納得した顔をしたあと少し遠くの1つの机に指を指しながら教えてくれた。



「はい、ありがとうございます」



軽くお辞儀をして教えてもらった机へと向かう。アリスは隣を付いてきている。

堂々と歩いているので私達に気づいた人がびっくりして躓いたり目をぱちくりさせていたりするが無視して歩く。その人たちもすぐ職務に戻ったしね、流石この部屋にいる人。

私達が来たことで部屋の空気が少し変わったことに気づいたのか統合参謀長官がこちらを向いて少し安心したような雰囲気になった。表情は固いまま変わらないけど。



「よく来てくれた、状況はどれほど把握している?」



まだ周りはカオスだし統合参謀長官...参謀長に話しかける声もあるが、無視してこちらを優先してくれるようだ。



「殆ど何も、日本が転移した可能性が高そうなくらい」


「そうか、なら簡潔に説明するから細かいところは後で聞いてくれ。まず、日本は0900午前9時に起きた地震と同時に転移したらしい、今の所変わってないのは一部を除き排他的経済水域までだ。その先は今未知の領域になっている。それから」



ながいながーい説明を聞いた。

要するにこうかな?



「日本は転移して付いてきたのは一部除き排他的経済水域まで、周り全部未知だから対応で揉めている。あと国内でも魔力異常が起きてるからそれにも対応しないといけない。合ってる?」



「...そうだ。今は情報を集めるために戦闘機・偵察機・早期警戒機とか色々と飛ばしたりイージス艦を動かしたりして情報収集中だ、データはリアルタイムで前の画面に出てる。で、ここにいるメンツはこれからどうするか話し合ってるところだ、参加してくれ」



えぇ?この会議に参加しろと?私達に軍事知識はあんまり無いんだけどなぁ...はぁーやるか。何期待されてるか知らないけど。

少し参謀長から視線を外せばもうこの机の真ん中辺りに椅子が2つ増えている。あぁ...こういうこうとかな?



「..わかった。チェス盤、世界合併緊急対策軍本部の情報まとめて立体映像で表示」



私は魔法袋からチェス盤を取り出して机の真ん中に投げ命令を出す。チェス盤が丁度机の真ん中に着地すると盤上から立体映像を空中に投影し始めた。

それと同時に怒鳴りあってたりしたこの机に座ってる人たちがこっちに気づいてバッと静かになった。

リアルタイムで動いたり増えたり減ったりするマークや数字を見ながら用意された席に座る。



「よし、全員揃ったことだし改めて対策会議を始める。議題は「これからどう動くか」だ。集積されている情報は目の前を見てもらってる通り。現在進行中及び準備中の作戦から言っていってくれ」



参謀長の号令によって改めて会議が始まった。ここでやることじゃなくない?そういうのはもっとちゃんとした会議室でやるものかと思った。

まぁ緊急時だししょうがないか。

...あ、良かった。誰がどの役職かわからんじゃんって思ったけど机にネームプレートあるじゃん助かった。


そんなのとを思っていると参謀長にほど近い席に座っている男性が落ち着いた声を上げた。



「では私から、現在空軍で進行中の作戦ですが、全国の基地から戦闘機121機、偵察機3機、早期警戒機5機が周辺偵察に出ております。現時点での成果としては対馬西方に陸地を発見したものの海岸線が合わないそうです」



えーっと、佐藤空将?...空軍の偉い人がそう話したので対象の航空機の色を変えてわかりやすくしておいた。



◇◇◇◇◇


ねむい..................



あ、ルミナとアリスがこの会議に参加した理由は参謀長さんが魔法関連の戦力を呼びたかったからとチェス盤のことを知ってたからです。自由に操れる立体映像っていいよね。



12/6-7あたり少し書き換え。

やっぱ名前は書きます。あといくつかルビ追加。ここ以下は書き換え。新話はもうちょい待ってね。ようやく修羅場終わったところなので。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る