第9話 買い物デート?

朝起きると、明里は既に着替えて朝食を作っていた。寝ぼけた頭で着替えて顔洗ってリビングへ向かうと、ちょうどエプロン姿の明里が朝食の準備を終えたところだった。



「にぃおはよう、朝食できたよ」


「ん、いつもありがとなぁはわぁ」



ねむい...あくびが出る...美味しそうな匂いがする...明里はいい嫁さんになるなぁ...お腹空いたなぁ...早く食べよ



「にぃ、朝弱いよね」



半分くらい食べたところで明里が珍しくご飯中に話しかけてきた。



「そうだなぁ...朝はなんかだめなんだよなぁ」


「にしては魔法少女してるときはいつもシャキッとしてる」



明里と私はほぼ同時に魔法少女になったため正体を知っている。周りには2人とも隠しているが。それと家の中であれば様々な防御を施してあるので何喋っても何しても特に問題はない。だからこんな話外で出来ない話をしていてもなんの問題もない。



「まぁ意識切り替えてるからな、バレないようにしなきゃいけないし」


「なるほど、所感だけど、雰囲気から違うからあんまり心配ないと思われ」


「なら良かった、バレたら一大事だからな、ははっ」



良かった、明里のお墨付きならポカしなきゃバレる心配は無さそうだな。



「ふふっ...だね(にぃを取られたら一大事だし)」



その後朝食を食べ終わり、少し片付けたら外に出る準備をして明里と買い物へ向かう。


エレベーターで1階について、エントランスの受付の人に「いってらっしゃいませ」と言われるのを背にタワマンを出て、さっき呼んだタクシーに乗る。



「本日はどちらまで?」


「秋葉原駅までお願いします」


「秋葉原駅ですね、わかりました。安全運転で向かいます」



運転手さんの質問に私が答えて、タクシーが出発する。今のうちに明里が何を買いたいのか聞いとくか。



「で、今日は何を買うんだ?」


「えっと、服とアクセサリーと本...かな。あとはぶらつく」


「りょーかい」



明里が日傘を持っている右手の指で買うものを数えながらそう言ったので、どこのお店に行こうか少し考える。...まぁてきとーな高級店でいいかな。お金使わないとだし。

左手はタワマン出るときから私と繋いでる。



「あ、そうだ」


「ん?忘れ物?」


「いや、この前オーダーメイドした服セットの連絡来てたから取りに行かないとだなーって」



前に明里と出かけたときにちょっと着てほしかった服とかをあのお店に複数着オーダーメイドしたんだよな。それの完成連絡が来てたの思い出したわ。



「あ、たしかに。じゃそれも追加」


「先にそっち行って良さげなお店聞いてみるか」


「いいね、あの人たちなら色々知ってそう」


「だろ?」



そんな雑談をしつつ秋葉原駅までタクシーが到着するのを待つ。


なんで秋葉原かと言えば、

今の秋葉原はオタクの聖地でありながらダンジョン探索者向けの様々なお店が出ていたり、魔法少女関連の専門店なんてものまで存在している。家電量販店や大型ショッピングモールもあって、秋葉原で手に入らないものは無いなんて言われるほどなんでもある。


ここまで秋葉原が成長しているのは、秋葉原駅地下に出現したダンジョンのせいだ。


このダンジョンは世界的に見ても例外中の例外で、入り口の奥に異空間が広がっているのは他のダンジョンと同じだが、その中は広大な草原を中心とした様々な環境が広がっており、また最上層と上層は完全にモンスターが出現しないという特性がある。ただ中層からは地形は同じでモンスターが出現するようになる。その先は通常のダンジョンと似た感じだ。


そしてさらにヤバイ特性が、このダンジョン内だと生産効率や品質などが地上で再現が困難なほど上昇する傾向がある。しかも魔力を活用した生産なら更に上昇する。よって、このダンジョンには工房ができ工場ができ街ができ1次・2次・3次問わずの一大生産地と化したのだ。この著しい発展は「秋葉大成長イベ秋葉大発展祭り」なんて呼ばれている。


しかもこのとき秋葉大発展祭り開催時世界は第二次混乱期だったこともあり外国からの干渉が少なく、あっても珍しく有能だった政府や日本企業が徹底的に排除し法整備も爆速で行ったため現在もほぼ日本の独占状態である。



◇◇◇◇◇


解説3


ダンジョンの入り口は、個々に大きさが違く、現在の世界では小さいもので1m四方、大きいもので37m四方なんてものもある。

渋谷ダンジョンは8m四方

秋葉原ダンジョンは28m四方



第一次混乱期

ダンジョンが発生したことによる混乱期

期間 約5年

範囲 全世界

影響 ダンジョンの発見や魔力の観測、それに伴う新技術や新素材、経済への大規模な影響や世界各国のパワーバランスの変化など。


一時、第三次世界大戦1歩手前だった。

国家数及び国境変化無し。



第二次混乱期

異界の出現とダンジョンのスタンスピードがほぼ同時に発生したことによる混乱期

期間 約26年

範囲 全世界(スタンスピードは日本とスイス以外)

影響 世界規模で多くのダンジョンがスタンスピードを起こしたため全世界に甚大な被害を齎した。あるところは都市が壊滅し、あるところは山が消し飛び、あるところは巨大な不毛の大地が生まれた。


日本とスイスはスタンスピードをギリギリのところで完璧とは言えないが回避している。


日本→現在のダンジョンの数は世界トップ3だが、当時はトップ7くらいだった。

なお、おなじみサブカル知識でそのスタンスピード可能性をはじめから警戒し出来そうな対策を日本中でやりまくった。結果、一部でスタンスピードは発生したものの小規模でありすぐに鎮圧できたため被害微小。


スイス→そもそもダンジョンが少なかったことで人が集中していたことや軍が訓練の場としてダンジョンを活用していた。結果、やはり一部でスタンスピードは発生したものの地形も活用しつつ戦闘を展開し早めに鎮圧できた。国境から押し寄せたモンスターにもしっかりと対応できたため被害微小。


異界の出現も世界全土で多数同時発生しスタンスピードど共にその対処に世界各国は追われたが、対応の方法がわからず多数の犠牲をだし奪還不能と呼ばれる場所が複数生まれた。

世界各地で魔法少女が生まれるとその対応方法がわかってきて被害が減少していった。

今の所魔法少女は日・米・露・中・英・印・独のみで生まれ、数は大体日>>>米≒印>>中>英>露>独となっている。

魔法少女のいない国は居る国に高い金払って依頼するか、自国軍で対応している。日本は色々と理由つけて魔法少女の外国への派遣はしていない。てか法で禁じた。


第一次より大きな経済的政治的混乱が発生し、国家間のパワーバランスもまた変化したため第三次世界大戦が発生しかけたが、日米英でギリギリ押さえ込んだ。


国連は再起不能にまで追い詰められたため、新たな国際組織の設立が急がれている。


世界各地で小競り合いや小規模な戦争、スタンスピードや異界による国家消滅が複数発生しており、それに伴い国境も大きく変化している。また新興国家も誕生している。あと地形も色々と変化しており、新しい島や山、谷や海辺の隆起などが起きて、地図も大きく変わった。パナマ運河が埋まったりね。

ちなみに日本は相変わらず島国です。ちょっと島が増えて広くなっただけ。




お上は大変だ。いや下請けもかな?

...どこもか。 

解説長いのはすみません。



PV200突破感謝ー!!!

ランキングも現代ファンタジー週間のが400位切りました〜!ありがとうございます!!

今後共よろしくお願いいたします!

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