第3話 魔法少女ルミナ
日本国東京にある異界対策軍本部の混沌専用カフェテリアに向かう廊下を白髪ロングで赤目、黒のゴスロリ衣装に身を包んだ少女が三毛猫(黒白茶)を抱えながら歩いている。
この姿の私は魔法少女ルミナと名乗っている。
私が抱えている猫はミーちゃんといい、私が生み出すことに唯一成功した特殊生命体だ。そこらの猫との違いは空間転移に近いものが単独だと可能だということと、会話ができるくらいの知能があることくらいだ。さらに自衛戦闘も多少可能である。
ただまぁ包み隠さず話せば問題になるのは間違い無しなので、昔拾った変な猫ということにしている。ミーちゃんは少し不満なようだが。
混沌専用カフェテリアに到着すると、1階で話してた1団がこっちに目を向けてくるが、無視して2階へと向かう。2階へ昇ると、奥の机でチェス盤の準備をしてその片側に座りスマホを弄っている空色のエプロンドレスを着た金髪の子がいた。
「アリス」
そう声をかけながら私はチェス盤を挟んで反対に座る。
「遅い、2週間ぶり」
「これでも忙しかったの」
アリス(本名
これは彼女の能力によるものだ。
彼女は混沌所属で、能力は童話系の「
ちなみにだが、私とアリスは他の魔法少女よりもと圧倒的に汎用性が高いので、万能系などと一部では言われていたりする。
さぁ、チェスに戻ろう。私も能力で駒に触らずに動かしていく。
「チェックメイト、私の勝ち」
「ぬぅ...これで32戦18勝14敗か」
「合ってる。私はその反対」
アリスがチェックメイトを宣言しチェス盤が淡く光りながら判定をする。結果、認められたため、駒がもとの位置に戻る。それと同時に、チェス盤中央に勝敗カウントの数字を表示した。
実はこのチェス盤私が開発した魔導具である。材料集めから作成まで全部私一人でやった作品の一つだ。様々な機能を盛り込んおり、今あった勝敗カウント表示や結果判定やらも機能の一部だ。
「アリスはやっぱり強いね」
「ありがとう、でも接戦だった。だからルーも強い」
「ありがとうね、さ、次やろ」
「やろやろ」
1階に繋がる階段からこちらを覗いている気配を無視しつつ次のゲームを始める。ときにお茶やお菓子を生み出してお茶をしたりもしながらゲームを続けていた。
ゲームの途中だが、急に建物全体に警報が鳴り響く。異界が地上のどこかで発生したのだろう。アリスと目配せで無言の会話をしつつ机を魔法袋片手に片付けて1階へと降りる。
ちょうど降りたタイミングで混沌専用カフェテリアに人が走って入ってきた。
「ブリーフィングをするから集まってくれ」
彼女は
異変に対処するときは、まず先行部隊が集めた少しの情報から出撃する魔法少女を選抜し本部に余力を残した状態で異界を攻略する。理由は、異界は基本1国?一つずつしか発生しないが、希に同時発生することもあるからだ、あとは増援部隊として残していたり物資輸送やらのために残っている。
「今回の異変は大きいぞ、場所は神奈川県横浜市、レベルはB判定を記録している。先行部隊の情報によれば今回は異界生命体の数がとんでもなく多いらしい。うちから出撃するのはルミナとアリスあとヘンゼルとグレーテルにユキ、マリナの6人だ」
「了解」
「把握」
「「...理解した...」」
「分かったわ」
「は〜い!」
さっき早紀が言ったように、異界にもランクが存在する。まぁこっち側が勝手につけてるだけだからミスもあるが。
最高がSで最低がDの5段階で付けられており、被害的に言えば、
Sは未確認なこともあり不明。
鎮圧推定時間数日〜不明
Aはそこそこの町一つ飲み込まれるくらい。
鎮圧推定時間1日
Bは小さな町一つ飲み込まれるくらい。
鎮圧推定時間16時間
Cは小さな町の半分飲み込まれるくらい。
鎮圧推定時間8時間
DはCよりも更に範囲は狭く弱い、たまに放置で勝手に崩壊するくらい。
鎮圧推定時間1分〜5時間
日本で発生した異界で
最小のものはアルプス山脈中腹くらいで発生したDランクで、発生後1分で自己崩壊し消滅した。被害は近くの木が何本か折れたくらいだった。
最大のものは東京の渋谷区を中心に発生したAランクで、これはルミナが有名になるきっかけになった異界だ。これは発生後20分ほどでほぼルミナとアリスの2人で鎮圧した。被害は首都東京を襲ったので、たかが20分だとしても相当なもので、死者負傷者計約126万人を筆頭に政治も数日停止を余儀なくされたし経済も影響があった。
今回はBランクというから少し面倒そうだ。
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