エピソード3:秘密を暴く
【洞窟】
17世紀初めにタイムスリップした
湾内に停泊した黒い南蛮船に目をやると、船員たちがマストにまるで
甲板では日傘の下で
猫足の小さな洋テーブルにはオリエント風のポットとカップなど茶器が並んでいて、ティータイムらしい。
船員たちは忙しそうに多くの荷を小舟に下ろしていた。
南蛮屏風に描かれたような不思議な光景の中、城下を歩きながら、
「ちなみに、
「じゃあ、俺たちも探してみるか。
40年ほど前に発見されたというその
地元の人たちから聞き出した情報から、安置された場所の手がかりを得た。
東シナ海を望む小高い山。
雑木林の中、
「俺、花粉症でさ、さっきから鼻水とくしゃみがヤバいんだよね」
「マジで、このままじゃ秘密の手がかり見つかるのか不安だわ」
「ここ、滑りやすいから気をつけて!」
「痛っ!マジかよ、パンツ破れちゃったよ」
痛さと驚きで笑いたいけど笑えない
「大丈夫、あとで直してあげるよ。頑張って!」
「よし!もう少しだ、頑張るぞ!」
頂上付近にやっとたどり着く。
そこで不思議な
両肩に翼とみられるものがあり、右手に剣のようなものを持ち、悪魔を踏みつけているように見える。
頭が坊主で、
地元では「ウマンテラさま」と呼ばれていた。
「いくつもあるけど、
「そうだ!
「矢印ができる!ねえ
「バッチリ!正解だ!」
「だったら矢印の方向に進もうぜ!」
「俺、全然気づかなかったわ。やっぱりさすが!」
軽快なトーンで笑顔を交えながら
「いいぞ!行動開始!」
勢いに乗った
どれだけ歩いただろうか。
行けども行けども薮だらけだ。
「ここ、何もねーじゃん...」
すると
入口は一人の大人がやっと立って入れるぐらいの大きさだ。
「なんか、ちょっと怖いかも」
「中、入ってみようぜ」
そう言って
スマホのライトを頼りに、奥へと進んでいった。
クモやゲジゲジがいる。
首筋になにか冷たいものを感じる
触ってみると、
「うわっ、ヘビだ!」
「ヤバ!早く振り払え!」
「やめてよぉ!」
「ったく、しつこいな!」
さらに奥に進んで行くと、火が
そこでは老婆が祈りを捧げている。
歳のほど、90過ぎくらいだろうか。
「あれ?おばあちゃん?!」
4人に気がついた
「だれじゃ?何しに来た?」
コレジオの遺跡を探検中にタイムスリップした話をする。
別の時代から来たと話しても、最初は信じてもらえなかったが、だんだんと打ち解けて行く。
コレジオの謎を追っていると話すと、
「なに!今なんと言った?コレジオだと?
やめとけ!それに近づいてはならぬ!」
【金銀財宝】
「日本一美しい教会や南蛮風の立派な建物があってな。わしはそこの食堂で働いておったんじゃ」
先生や、それを補佐する者を合わせて約60人、同宿、従僕などを入れると120人を超える規模だったという。
「しかしじゃ、質素な表向きとは裏腹に、長崎では注文される料理は牛やニワトリのたくさんの料理、ぶどう酒、焼き立てパンを食べていると聞く。
デザートもナシの芯に穴を開けそこに砂糖を詰めて焼いたものや、ゆで卵にまで砂糖をつけて食べよると聞いておる。
しゃばは所詮、そんなもんさね」
大航海時代に南蛮船で日本に運ばれたものとして、宣教師たちの故郷に馴染みの深いオリーブやカリン、モモ、ナシ、ブドウなど果樹の苗も輸入された。
16世紀末にポルトガルから白イチジクの「ブリゲソテス」も運ばれて来た。
しかし日本には受粉を助けるイチジクコバチがいないため、結実せず、普及しなかった。
西洋ではケーキなどに使用するイチジクは乾燥イチジクが一般的。
当時、日本にやって来たポルトガル人宣教師たちは干し柿を見てその姿が乾燥イチジクに似ていることから、フィゴス(figos)と呼んだ。勿論、デザートにイチジク入りのお菓子を食べていた。
「殿は貿易で利益を得て、大喜びさ。
噂によると、莫大な隠し金や、黄金の像、金銀製の燭台、南蛮渡来の宝石をちりばめた王冠などの財宝もあると聞いた」
「金銀財宝?!」
「そんなもんに、近づいてはならぬと言ったはずじゃ!」
みんな驚くが、
南蛮貿易は16世紀末頃から17世紀前半、明のマカオを拠点としたマカオ商人、ポルトガル人を中心に営まれ、日中間の代理貿易ともされる。
中国から日本へは生糸や絹織物、金、陶磁器、硝石、生薬、砂糖などがあった。
宣教師たちが、布教だけでなく、経済活動もしていたことが分かっている。
「そしてそれを狙う者も現れた」
【デラとの対決!戦いと黙示録】
「おいしい話を聞かせてもらったぞ!
宝はおれがいただきだ!」
うす笑いを浮かべながら、4人の前に立ちはだかる。
「もうお前たちに用はない!
あの世に行ってもらおうか」
デラが金属探知機から強力な渦電流を発し、
強力な磁気が発生し、洞窟がガラガラと大きな音を立てて崩れ始めた。
「くそっ!頭が...」
「もう、マジでたまんないよ!」
「一体どうなってるの?」
さらに強力な磁気で、頭が割れそうに痛くなり、しびれて
「これ以上は無理かも...」
絶体絶命の状況。
しかし
その時、まるで奇跡のように、デラはその場で動きを止めた。
雲の隙間から降り注ぐ光の結束が地上を照らし、虹色の霧が漂い始め、周囲の時間が停止した。
「やつの武器は金属探知機だよな、そうだ!金属に反応するんだ。
みんな、スマホ捨てろ!!」
すると強力な渦電流が集中し、デラに向かった。
ドーンと大きな音がして、デラは黒焦げになり、倒れた。
「くそ!何をやってんだ俺は...。
あぁ、そういえば今日か。あの日の炎が俺から全てを奪った。
こんな情けない姿、見られたらどう思うだろうか」
デラはつぶやく。
「やった!」
「もう無理かと思った」
「危なかったね...
どうにかして現代に戻って、みんなにこのことを伝えなきゃ、ヤバいことになるぞ!」
「その前に、放り投げたスマホを拾わなきゃ。
あ、電源入った!さすがiBornだね」
そして
「その前に、破れたパンツ直してあげるから、脱いでよ」
「えっ、ここで?マジ恥ずかしいんだけど。やめてよ」
「現代に戻ったらもっと恥ずかしいから!」
抵抗する
戦いの中で、デラの動機とコレジオの歴史とのつながりが明らかになった。
コレジオの財宝にまつわる重要な謎を解き明かしながら、敵との劇的な対決を終えた。
そして次のエピソードの舞台となる現代への啓示が示される。
次回、悪党ラスボス、タイプの本当の目的は何なのか、邪魔な陰謀がついに明らかになる。
(次回予告)
「これ、マジでノーベル賞レベルじゃん!」
(続く)
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