第93話 流聖プロディガルになる

流聖

「失礼します。先程連絡を受けました、岩清水 流聖 と申します。」


古化

「久しぶりですね、流聖くん。しっかりと訓練をこなしているそうじゃないか。しかし、急にこんな事態になってしまい申し訳無く思っています。それに、君の勇気ある行動に感謝している。礼を言わせてくれ、ありがとう。」


流聖

「あ、古化さんお久しぶりです。こちらにいらしたのですね。」

「お礼だなんてやめて下さい。僕はただ普通の事をしているだけですから。」

「マザーと勉さんの具合はどんな感じなのですか? あれ以来情報が来なくて心配でした。」


古化

「2人共意識も戻り大事には至らなかった様です。一先ずは安心だ。ICUから一般病棟に移り、メンタルケアを受けながら復帰を目指している様ですね。」

「しかしDr.の言う事には、マザーの現場復帰は無理だと診断しています。残念ですが・・・。」

「でも今は、13名の若きサポーターが マザーや勉さんの後を継いでプロディガルと共に協力し合いこの国を守っている。マザーも勉さんも、これを願っていたのだと思います。」


「それに流聖くん、君の能力の事も聞いているよ。Tルームで見た君の能力の凄さは、やはり本物だったのだな。正直あの時は恐怖を感じていたよ。」

「実戦はこれからだが、大いに活躍してくれる事を願っている。皆と力を合わせて怪物を殲滅しよう。」


流聖

「はい、平和を求める一人の人間として一つでも多くの命を救って来ます。」

「それで、僕はどうすれば良いのですか?」


古化

「おっとその前に流聖くん、プロディガルとして戦いに行く時はこれを着ると良い。」

「これは、私達が開発した『ソルジャースーツ』だ。生地にはマーズメタルの繊維が織り込んである。ある程度のダメージはこのスーツでカバーは出来ると思う。だが、耐久力以上のダメージ(負荷)が掛かれば、当然カバーは出来なくなる。覚えておく様に。」


流聖

「はい、僕が暮らしていた山紫水明村でもらった服の様なモノですね。あの服も私服の150倍程度の耐久性があるといってました。残念ながら僕はその服を着ていませんでしたが・・・。」


古化

「ああ、あの服の事だね。あの服も耐久性には優れているが、このスーツはその比では無いぞ。着ていれば実戦で分かると思う。」


本部:

「では、準備はもうよろしいですか? よろしかったら、その円の中心に立ってくれないか。S・F・Cからの移動はこの場所からと決まっているのだ。」


「今現在来ている要請は2件ある。最初はここから500㎞離れている岡山に行ってもらう。そして、次は更に450㎞離れている博多へと行ってもらう事になる。大丈夫か?」


流聖

「はい、もちろんです。」


「テレポートは一瞬だ。そのテレポート場所がどの様な状況になっているのかは不明である。くれぐれも油断せず、仲間との協力し対処してくれ。」

「先ず最初は、酸性の液体を出す怪物との事だ。宜しく頼む。」


《「Mルームに継ぐ。連絡する、こちらは本部だ。サポーターで誰か手の空いている者はいないか? 至急対応願いたい。」》


天空

「はい、あたいは 天空 弥生 と言います。今なら対応出来ますけど・・・。」


本部:

「天空さんありがとう。今この本部転送エリア内に一人のプロディガルがいるのだが、彼を岡山の要請者の場所へ送ってくれないか?」


天空

「了解した。でも、岡山の要請に送るなら『水の使い手』じゃないとダメですぞ。」


本部:

「その事なら問題無い。それに、彼はもう準備は出来ている。」


流聖

「天空さん。お願いします。」


天空

「良ーし、今直ぐに送ってやんよ。 うりゃ。」


「シュッ・・・。」


 流聖は天空のテレポートにより、岡山の要請者の元に送られた。実戦経験が無い流聖が行き仲間との連携が上手く行えるのであろうか・・・。

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