第73話 練習問題
講師
「操作方法も大体解かって来た所で、今からゲーム的実戦シミュレーションを行っていきましょう。」
「只今モニターには『火属性』のスキルを持った怪物が暴れていると想定します。ここにどのプロディガルを送り撃退するのかを考えます。」
一早く名乗りを上げたのが「夜見 桜」であった。夜見は答えた。
夜見
「火に対し火は通用しませんですわ。電気もイマイチだと考えます。従って『水・氷・風』のプロディガルに情報を発信する事が基本だと思いますわ。」
講師
「良く出来ました。火に火は全くの無効であり、電気も時には効果が薄い場合があります。効果が期待出来るのは、夜見さんが応えてくれました3つのスキルであります。しかし、このスキルの者であってもクラスの中には『ランク』が有り、どの程度のランクのプロディガルであるのかも重要になってきます。」
超剛
「先生。火と氷は何となく理解出来るけど、どうして風が火に有効なのですか?」
講師
「はい、お答えします。風の使い手がただ単に火属性の怪物に攻撃しても内容によっては、あまり効果が無い事もあります。返って火を勢いつけてしまうかもしれません。」
「しかし、風使いにもランクがあります。そのランクによっては風の使い方により風と風の間に『真空』を作れるプロディガルもいます。その真空が怪物の火の効果を打ち消すのです。」
「火が燃焼するのには『可燃物・熱・酸素』の三要素が必要になります。その内の一つでも奪う事により、火は燃焼出来なくなるのです。」
超剛
「なるほど、そういうことか。」
講師
「次にモニターには『毒属性』の怪物が映っています。この怪物との戦いに有効であるプロディガルはどうでしょう?」
この問いに「城 段介」が答えた。
城
「俺が応えてやるぜい。それは『水と火と氷』だぜい。あってるだろう?」
「基本毒ってのは、水で洗い流す、凍らせる、火で焼く事で効果を薄めたり抑える事が出来ると俺は習ったことがあるぜい。」
講師
「間違ってはいませんが、毒に対抗出来る能力は『全て』になります。ただ怪物の毒が強毒だった場合、戦いにおいて土壌や河川を汚染してしまうかもしれないので『水や氷』の能力者は気を付ける事が重要になります。」
城
「ちっ違うのかい。ガッカリだぜい。」
講師
「次は『怪力属性』の怪物が表示されています。これに対するプロディガルの選択はどうでしょうか?」
待っていましたかの様に「村上 ミコ」が答えた。
村神
「力を鼓舞する生き物は、大抵が自分の力を何処かで見せたがる傾向にありんす。その様な怪物にはこれが一番でありんす。それは、『力には力』です。または、電気を流し神経系をしびれさせ動きを封じ込める事も有効でありんす。」
講師
「GOOD!良い答えでした。パワーにはパワーで勝負する事が一番適確だと言われています。怪物のパワーを上回るパワーで相手を抑え込むのです。しかし、パワー負けや、互角の場合逆にやられてしまうかもしれません。また、体力がREDやPURPL以上だった場合はマズイ事になってしまいます。」
「しかし、ここからがサポーターの技量が大きく左右します。サポーターはプロディガルリストの中から、有効な能力を持ったプロディガルに連絡を取り、応援の要請が出来るのです。そして了解を得た後、そのプロディガルを仲間の所に送り戦渦の状況をともに共有し、協力し合い戦って行くのです。ここで真のサポートが問われるという事です。それには、JASAの習得が不可欠になるのです。」
村神
「了解したでありんす。」
講師
「とまぁ、この様な感じの実戦形式で色々と学んで行きますので頭の中に入れておいてください。今回は3名の方に応えて頂きましたが、残る10名の方も引っ込んでいてはサポーターとしてプロディガルを守る事が出来ませんので、前に前に出て来て下さい。そして自分のスキルに磨きをかけて、プロディガルと気持ちを一つにする事で、更なるイノベーションが広がって行くのです。」
♬ キーンコーンカーンコーン・・・ ♯
講師
「おや、早いですね。では、お昼になりましたので食堂に移動しましょう。」
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