第63話 各々のイメージ

力人

「でもよー、就寝時間早くね? 今の時代子供だって22時には寝ないぜ。飯食って少し休んで筋トレしたら直ぐに22時位にはなるからなぁ。」


流聖

「ですねー。僕はこの時間はいつも水を使った実験?遊び?とかをしていますね。そんな事をしていると楽しいので直ぐに時間が経ってしまい、ついつい寝るのが遅くなってしまいます。」


冷斗

「そうだね。私は社会人で会社勤めをしているから帰りが遅くなったりすることも多く、不規則なだけに夜遅く寝ることが多いかな? サラリーマンの宿命だね。」


利乃

「私も寝るのは遅い方ね。クロスワードしたり、雑誌読んだりしてるとマジ時間経つの忘れるのよね~。」


しずく

「私はあまり変わらないかも。長めのお風呂に入って、お風呂上りにスウィーツを食べると眠くなるんです。それに、早く寝た方が美容やお肌に良いとも言いますし。」


力人

「それと話は変わるけど、皆はどう思っている? 訓練を受けた後の自分の姿を。」

「俺は、やっぱりスーパーマンの『クラーク・ケント』的な男をイメージしてしまうな。普段は会社員でクールだけど、少しおっちょこちょいな部分もあって頼りなさそうだけど、いざ事件となったらスーパーヒーローになり事故を未然に防いだり、悪を懲らしめるという設定だ。」


利乃

「力人はどっちかって言うと、スーパーマンより『超人ハルク』よね。クールなイメージ無いし、女性にも優しく出来なさそうだし、おっちょこちょいっていう所は当たっているけどねぇ~。」

「私が全身緑色に塗ってあげるわ!」


力人

「そんな事はねーぞ。英国紳士に向かって失礼な。 フンフン。」


流聖

「次僕良いですか? 僕は普段は有名大学で働く先生で、水を題材にした研究もしている学者志望の青年という設定が良いですね。事件の報告が入ったら大学の窓から颯爽と飛び降り、現場に向かい一瞬にして事件を解決するヒーローという設定です。」


利乃

「何言ってんのよ? 私の中で流聖は完全完璧な『もやし』なんだけど。」

「色白だし、細いし、何かいつもメソメソモジモジしているし、頭を黄色く塗ったら等身大もやしのコンプリーよ!」


流聖

「えー--。もやしなんて、ひどいですよー。せめて大根くらいにはならないですかぁ~。」


しずく

「大根は大根でも、カイワレ大根ですかね。フフフ。」


流聖

「ひどいよ、しずくまで~。」


冷斗

「では私が。私はイケメンの芸術家ですかね。普段は色々な企業から芸術的な仕事を依頼され忙しい毎日を送っている。事件や事故が起きた場合は、スマート且つ芸術的発想で速やかに解決をしてしまう。そして、必ず自分の視覚的サインを残しその場を静かに去る。後日、マスコミに囲まれモテモテの黄色い声援がおまけとして付いてくる。という設定ですね。ハハハハハ・・・。」


しずく

「やはり、彼女さんいないのですね。必死なのが伝わって来ます。淋しそうです。」


利乃

「自我の欲望もここまで大きくなると、どうして良いか分からないわ。妄想部長に認定ね。」


冷斗

「ギクッ、何でわかるのです? 彼女がいない事・・・。会社では部長にあこがれていたけど、ここでは既に部長に認定されたぁ~・・・。終わったー。」


雷次

「皆、ちょっと良いかな。生意気な事を言うけど、俺が先輩として言わせてもらうと、ここにいる俺を含めた6人は体の中に『リセ』が存在していて、脳や細胞と強く結び付いている。それを上手く引き出すには、今君達が妄想していた様にイメージして、イメージしたものに少しでも近付ける様に努力する事が一番の近道だと思う。」

「その為には、これから受ける訓練を真面目に正面から受け入れる事が重要になるので、そこは手を抜かない様にね。」


宙治

「堅いな雷次は。僕ら3人は能力が無いのだけれど、ちょっとだけ優れている脳ミソであると言われ、推薦されてここへ来ました。プロディガルの皆さんの良きパートナーになれる様にサポートを頑張って行くつもりです。」

「ここで働きしっかり爪痕を残し、S・F・Cと皆さんの事を守って行こうと思っていますので、大船に乗った気持ちでいて下さい。」


雷次

「またぁ~、女の子がいるからってカッコいいところ見せようとして言うねぇ~。」


宙治

「そっ、そんな事無いよ。純粋にそう思うんだよ。」


風加

「私もまだまだ未熟で、これからも訓練を受けてよりスキルを伸ばして行くつもりなので、ここにいる皆さんの協力が必要不可欠になります。一人ではたどり着けない、単独では手の届かない高みを目指し、力を合わせて行きましょう。それに、妹の舞の為にも自分の命を無駄には出来ないので、ご協力お願いします。」



 少しだけ先輩である雷次、宙治、風加の真剣な話を聞いた5人は、これから自分達のする事が他の人達に大きく影響して行くのだと改めて感じ、半端な気持ちでは務まらない事を実感したのだった。

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