第10話 奇妙な出来事と新化した体
隕石騒動から数か月経ち、皆忘れ掛けていた頃ある問題が起きた。
隕石が落ちたが消えてしまたとされていた場所は、合衆国アラスカ州の山間部の辺りである。そこから十数キロ離れている村から連絡が入った。その内容は「家が自然に燃え出す。」といった内容であった。
最初は単なる火の不始末が原因ではないかとされていたが、村で起きた火事は全部で十五軒であり、その中には空き家も四軒ほど入っていた。村の2/3の家が燃えた事で異変を感じた政府が、地元の警察と連携して調べる事にした。するとこの火事には共通するおかしな点が確認された。それは、家の外からの焼け跡である。
火事になった家の焼け跡には必ずこの焼け跡がありそれは、異様な高温で燃えている焼け跡であったのだ。
ただの放火であればこの様な高温になる事は無い。その温度は調べによると1200℃から1500℃はあるというデータが提出された。それを証拠に周りにある鉄の農機具が溶けているのだ。
この様な広範囲で高温を出せる機械は一般向けには販売されて無く、機械も大型になるので移動が難しい。放火をするには目立ってしまい、リスクがあり過ぎる。
地元警察はこの調査資料を政府に提出して回答を待っていたが、明確な回答は出て来なかった。
しかし、何の手掛かりも無い中一つだけ気になる事があった。それは、村の子供が言っていた言葉だ。
その子供は年齢にすると3歳か4歳くらいであった為、想像で言っている事であろうと大人達は真剣には考えなかったが、一人の捜査官は子供の言うある言葉が気になっていたのだ。
子供の言葉はこうだ。
「この間ね、空気がね、モヤモヤしてた。いっぱい、いっぱい、モヤモヤしてた。」
と言う言葉である。
空気の「モヤモヤ」とは空気が熱っせられた時に良く見られる現象であり、空気の歪みの事であると思ったのだ。暑い日や、熱い場所で良く見られる現象で「蜃気楼」の様なものであると感じていた。火の周りに良く見られ、特に上部に表れる空気の歪みだ。その子供は、この空気の歪みを見て「モヤモヤ」と言っていたのではないかと、捜査官は思っていたのだ。そして「いっぱい」とも言っていた。
その後に謎の火事が起こったとしたら、モヤモヤと火事の因果関係は否定出来ないのでは無いかと考えていたのだ。
その頃、日本では組織が雷次の身体の変化に気付き「トレーニング・メニュー」を渡して「電気を自身で操る様にする」という目標設定を課せていた。
医師が言うには、自身に備わった力がどういうものなのか? どう向き合って行くのか? どういう時に発動するのか? 果たしてコントロール出来るものなのか? を知る必要があると言っていた。
最初はバカバカしいと思っていた雷次であったが、冷静に考えると医師の言う事も一理あると思い、少しづつメニュー内容を試していた。
数日後、メニューを渡したスタッフが雷次の部屋を訪ねた。
スタッフ
「こんにちは。光様トレーニングの方は順調に行えてますか?」
雷次
「あっ、スタッフさんお疲れさんです。少しですが出来る様になったんですよ。」
「今見せますので、ちょっと待っていてください。」
すると、雷次は自分の体を下敷きで擦り出した。
雷次
「良し、このくらいで良いかな。見ていてくださいね。」
雷次は両手首を腰に当てた。すると、手の平から肘の辺りまで光を帯びながら電気が集まり出した。そして、雷次が両手を勢い良く前に出すと一気に電気が放たれた。
電気の塊は五メートルくらい先の花瓶に命中しその瞬間花瓶は、はじけ飛んでバラバラになってしまった。
スタッフはビックリしてその場にしゃがみこんだ。
スタッフ
「こ、これがメニュー内容ですか?自分はてっきり電球を明るくしたり、モーターを回したりする事だとばかり思っていました。」
「まさか電気の弾が飛び出すなんて・・・。」
雷次
「俺の体はどうやら電気を溜めておける様になったみたいですね。それで、溜まった電気を塊にして発射出来る。何かカッコイイっスよね。」
「ただ、自分で電気を作り出す事は出来ない様で、簡単に言えば人間バッテリーみたいなもんでしょう。」
そして、スタッフは部屋を見回して・・・。
スタッフ
「ていうか、部屋が滅茶苦茶じゃないですかー!」
「どうしよう、上司に怒られる―!」
といって、電気の塊に驚き滅茶苦茶になった部屋にも驚き頭を抱えていた。」
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