第7話 謎の隕石

 一方、地球の宇宙防衛軍が地球に近づく隕石を察知していた。その隕石は複数確認されていて、おおよその数も把握出来ており対処方法も準備されている。

地球を取り巻く宇宙空間には、地球に向かって来る隕石等を破壊する「迎撃システム」が配備されていて、ある程度の大きさの物は粉砕する事が可能ではある。


この隕石群もそれほど大きくないので十分に粉砕可能であると計算されていた。

 この様な事は年に数回は地球各地で行っていてシミュレーションも出来ているので何の心配も無いのだが・・・。しかし、今回の隕石群は次第に地球への方向がズレて行き迎撃する事も無いと判断されていた。


 隕石群は間もなく地球の位置から大きく反れ見えなくなると思っていたが、宇宙防衛軍の期待を裏切る結果となった。その隕石群は、地球の裏側に掛かった瞬間に大きく軌道が変化し地球の方へと向かって来たのだ。まるで、誰かが操作している様な動きで地球へと落ちて行く。


 隕石の起動が反れた為、迎撃システムを停止させていたので急な動きには対応出来ず何も出来ないでいた。隕石群はそのまま地球に落ちて行った。


 隕石が落ちて行った場所は、日の当たっていない地球でいう「夜」の場所である。宇宙防衛軍からの連絡をもらったものの、急な対応が出来ない地球防衛軍も只々指を加えて見ているしかなかった。


 大して大きくもない隕石であっても地球に衝突すれば、かなりの衝撃をもたらす。落ちる場所によるが、万が一都市部に落下すればどの様な被害が出るか想像もつかない。だが、幸いにも隕石群は山や人気の無い場所に落下して行った様だった。


 しかし、隕石群が落ちたであろう方角からは大きな音すら聞こえなかったのだ。まるで隕石が無くなったかの様である。

 翌日の早朝から隕石群が飛来したであろう場所を特定し探してみたが衝突痕や欠片すら発見されなかった。その様な事は絶対に無いと、軍の鑑識隊を派遣し辺りをくまなく探し、放射能等の数値も図りながら調査したが何の手掛かりもなかったのだ。


 鑑識隊隊長のバッグに入れてあった「生命体検知器」の反応以外は・・・。


 あまりにも、隕石の手掛かりとなる物が見つからない為に「探す場所が違うのでは。陸では無く海に落ちたのでは。」と言う声も上がるくらいだ。


 その後は、軍の鑑識隊が超広範囲を「草の根を分ける」様に数日間調査したのだが、一切の手掛かりも無しだ。まるで、隕石群飛来の出来事が夢か見間違えであったかの様に思えたのだ。


 しかし、最新の技術を使い地球の周辺を監視している軍の「C・E・E(compound eyes earth)地球の複眼」のデータにもはっきりと隕石群が確認され、地球に落ちて行く軌道や落ちたであろう場所まで鮮明に記録されていた。だが、この出来事は物的証拠が全くない為に、隕石群が「燃え尽きた」とだけ報告されたのだった。



 隕石群の騒動から数年が経った頃、地球外生命体である「リセ」の研究の中で冒頭にもあった「革新的な発見」が確認され、その内容が各地で報告された。


 リセの能力は、これからの世界平和には必要とされる能力であると考えられていて、能力開発の為の設備や施設等に潤沢な資産を投じる投資家も少なくない。

「リセ」を中心としたインフラ整備は各国で構築され今や何処の国でも「RESE」の文字を見ない国は無い程、リセの輪は世界に浸透しているのである。



▼おいおい。隕石とか地球外生命体とか、これはもうSF小説やな。

その内「ダース〇ーダー」とか出て来るんとちゃうん?

そして、フォー〇の力で敵を倒していくやつやろきっと? もうあの有名なSF映画のパクリやな。


▽ははは、お前は面白い奴だな。まさか、もう一杯引っ掛けてる訳じゃないよな?


◆二人共うるさいわよ!黙って読みなさいよ。

私も飲んじゃおうかしら。インフィニティーレモンを・・・。

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