第32話 才能


この子どうしよう。


「あの、名前は?」


リタがさっそく質問した。


「えっと」

(あの人を追い返した人たちなら行ってもいいかな。)

「マリー、です。」

「マリーさん。その腕の包帯は怪我ですか?」

「………いいえ。」

「見せてくれませんか。」

「…………うん。」


ゆっくりとマリーが包帯を外した。

そこには龍の紋様があった。


「やっぱり。すみませんマリーさん。ちょっと来てください。」

「…何でですか。あの人みたいに龍の私を連れ去るんですか。」

「いいえ。ではこれを見てください。」


リタやリンが腕に龍紋を映し出した。そして俺も。


「すごい。龍がこの場に4人も......」

「ちょっと近くの喫茶店で話をしましょう。」

「はい。」



「では主様、説明を。」

「俺ぇ!?」

「えっと、500年前にいた勇者レイはしってる?」

「うん。」

「そのレイが封印した、サタン、ハデス。ルシファーの封印が解けそうなんだ。」

「え…⁉」

「だから再度封印するために、双子の妹のリンと、オーブの妖精?のリンと一緒に旅をしているんだ。よかったらマリーも一緒にこないか。」

「迷惑にならないのなら。」

「あと、専属神にしてもいいか?」

「その才能をコピーしたり、位置情報を開放してくれたら、ピンチのとき、飛んでいけるし...」

「別にいいですよ。」

「おーけー」

「我に宿っている龍神様の力を借り、我の専属神となることをここに許す。」

『専属神契約が完了しました。残り7人です。』

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