父が来ない理由
若奈さんがまだ高校生だった頃。
隣の市の高校まで通っていた蒸し暑い夏の日、
いつものように駅でお父さんが車で迎えに来るのを待っていた。
が、いつまで待っても来ないので電話をしたところ、「え!」と驚いた声のあとすぐに切れ、
数分待たずしてやって来た。
若奈さんが乗るや否や振り返りお父さんはこう言った。
「若奈だよな?」
なんでも、お父さんはすでに若奈さんを迎えに駅に来ていて待っていると、
ドアが開き人が乗ってきたので家に向かっていた。
その道中で若奈さんから電話がかかってきたそうで、振り返ると誰も乗っておらずゾッとしたという。
その日以来、お父さんが迎えに来たら車に乗る時に必ず、「若奈だよ。」と言うようにしていたそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます