第20話 今後の治療について1
明日、診察ですで検査の結果の説明などあると看護師さんから連絡を受けた。
瞳に、電話をして朝からこっちに来ると言ってくれた。
大事な話なので聖也は、保育園に預ける事にした。
その日の夜も、巡回時間でもないのに、看護師さんが来て様子を見に来てくれた。
僕の中では、それなりに仲良くなれたと思う。
「カテーテル検査で、意識が無くなりそうになったんだって。
もう、おじいちゃん達でも、そんな事無いのに〜。」
「いやいや、初めての検査で、あれだけ負荷をかけられたら、無理もないよ。」
と笑いながら少し話をした。
(実際に受けたことのないのだから、やっみなければ分からない。安心、安全と言われても100%ではないから、承諾書が要るのだと思いながら)
「もう、12月も中になるね。今年も終わるよ〜。」
と
「早く、帰りたい」
と答えた。
夜はふけていく、治療方法は、第1番は、もう予想がついている。
2番以降で、何とかしないといけないと考えながら眠りについた。
朝早くに目が覚める。
入院中に、見舞いに来た友人たちから本やらお菓子を貰っていたので、本を読みながら朝食を食べ、瞳の到着を待った。
瞳は、いつもと変わらない様子で、
「おはよう」
と入ってきた。
ありがたいことだった、いつも寒い中でも顔を見せてくれる瞳に感謝する。
診察の時間がやって来た。
先生から、
「検査の結果ですが、原因は不明です。心臓の動きは正常でした。」とモニターの映像を見ながら説明が始まる。
「心臓の弁の動きも、問題かった。そして、弁からの逆流も無いようです。
ただ、負荷に対する上昇は、良い反応ですが、元に戻り方が何故かおかしい状況です。
分かられてると思いますが、心拍数が急激に下がっいきます。
不整脈がもあり、失神を伴う事もある。
このままでは、心不全の危険を想定しないといけません。」
と説明は続くが、想定より悪いようでである。
「康弘さん、現状はいつ止まってしまうのか、分からないのが正直なところです。
このままで、大丈夫と言える状況ではないと理解してください。」と考えていたより切迫していると理解した。
瞳は、涙目で頷いている。
時折、ハンカチで目を押さえ、涙を堪えながら。
「治療としては、ペースメーカーを植え込みする事をお勧めします。」
「これだけ、検査をして原因不明なんですか。」
と言ったところで、病名を診断するうえで、色々と項目があることや期間などあるらしいので仕方なかった。
「原因が、どうであれ、今の状態を放置する事は出来ないでしょう。
いつ死んでもおかしくないんですよ。
奥さんや子供さんの事を考えれば治療して安心させてやる事が大切なんじゃないですか。」
先生の言葉が、わたしの心に響く。
瞳のハンカチは、ポロポロと頬を伝わる涙を、止めることは出来なかった。
(なんで、僕なのだろう。
ただ、普通に仕事して家族と居たいだけなのに。
瞳を泣かせて悲しませて、自分ではどうにも出来なくて、本当に幸せに出来るのだろうか。)
『いつ死んでもおかしくない』か。
この言葉は、正直に堪える。
いつの間にか、わたしの頬にも流れ伝い、床へとポタッポタッと雫が落ちていった。
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