第14話 検査入院と孤独な夜4
朝が来ると、僕は引き出しからおにぎりを出して食べた。
旨いなぁ、ポタッポタッと布団へ落ちる雫と滲む視界。
お昼過ぎて、CT検査に呼ばれると造影剤の針が腕に付けられた。
撮影で、造影剤を流すとカァーっと熱く感じるらしいが問題ないので、他に痛みなどあれば教えてくださいと指示を受ける。
流しますよ~と、頭と胸がカァーとしてきた。他は余り気にならない。
今、検査してるのだろう。
「大丈夫ですか」
と聞かれ問題ないと合図する。
何度か、造影剤を流しカァーっとなり、スゥーっと落ち着く、順調に検査も終わり、部屋へと戻る。
純度の高いアルコールぐっと飲んだらカァーと成るのだろうかと考えながら、胸まで熱くなる感覚はちょっとビックリした。
検査も何十分かな、そんなに時間が掛からなかった。
病室へ戻ると、瞳と聖也が来ていた。
「どうしたの。びっくりしたよ。」
瞳は
「ちょっと嬉しそうに、笑い返してきた。」
僕は、造影剤が体を巡って、頭と胸が、熱く感じた事を話した。
中々に、体験することも無いので、瞳も
「うんうん」
と聞いてくれた。
残念ながら、聖也は、良く分からないらしい。
それから
「もう、今年も終わるね~。」
瞳は「そうね」と返す。
僕は、
「風邪引かないように、暖かくしる?」
瞳は、
「エアコンもストーブも電気カーペットもあるから大丈夫よ。」
僕が、こっちへ来た時は、ダンボール3箱だけだった(笑)
最初の給与で買ったのは照明だったなぁ。冷蔵庫や洗濯機にチェストなど何かようやく家っぽくなってきたと思い出す。
瞳へ
「次、どこ行きたい?考えておいてね。」
瞳は、
「分かった」
と言ってくれた。
(ルミナリエ!!しまった、わたしは以前見に行きたいと話していたことを思い出してしまった。)
ちょっと楽しそうにする瞳、元気に、チョロチョロしている聖也を目に(そうだな、行こう。大丈夫だ、抜け出しても行っやる。)と思った。
※ ※ ※ ※
次はMRIの検査だ、またまた造影剤を注入される。
こっちは、なにも感じることはなかったが、閉所恐怖症だったら怖いだろう。あの筒の中に閉じ込められたらと考えながら目を瞑る。
機械の音が騒がしいと思いながら、何度か撮って確認しているようだ。
終わると、部屋着に着替えて戻る。
ステーション前を通って、会釈をしながら部屋へ入ると、『バタッ』意識を失った。
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