第12話 検査入院と孤独な夜2

 翌日から、検査と思っていると、そこまでの詰め込みは無く、レントゲンを撮って終わる。


 初日に、採血は終わってる。


 思いのほか、時間を持て余す。


 個室で話し相手もいないので、持ち込んだ本を読んで時間を潰した。


 ご飯は、やっぱり病院食である。


 瞳の作ったご飯が、もう恋しくなっている。


 日中も、看護師さんが様子を見に来る。


 その時、検査は前日に教えてくれる。食事も食べれない時もあると、聞いた。


 夜、瞳と電話で話しながら聖夜の様子を聞いたりした。


 明日は、こっちに来るそうだ。


 僕は、そこで

「おにぎりが食べたい。」

 とお願いしてみる。


「そんなので良いの?

 何か食べたい物は他にないの。

 必要な物があったら、持ってくるよ。」

 と優しく言ってくれるが、今の僕には他に必要な物は無かったのである。


「病院のご飯だけじゃちょっと足りないかも」

 と言うと、

「なら、お菓子とかの方が日持ちするし」

 と言われたが、(彼女のご飯が食べたい。)なんて、恥ずかしい事を口にする事は出来なくて、

「おにぎりがいい。」

 と、伝えた。


 また、陽が落ちていき夜の帳が下りる頃、発作の胸痛でベッドで丸くなっていると、看護師さんがやって来た。


 直ぐに、医師がやって来ると酸素マスクを付けられ鎮痛剤を点滴と一緒に投与された。


 実は、錠剤での鎮痛剤が効かないのである。


 ズキズキする胸を抑えながら、また孤独な夜が過ぎて行く。


 夜中に、看護師さんが来ると、痛みは収まったことを伝える。


 30分くらいと大体の時間を話しながら、酸素はそのままでと言われた。


 天井を眺めながら、瞳へ「おやすみ」と伝えた。

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