第10話 家族と準備と入院へ

 なかなか、止まることがない涙に、近所の公園の椅子に座り込む。


 この心臓が止まったら、死ぬのだろう、瞳と聖夜を置いて・・・。


 いやいや、まだ諦める訳にはいかない。


 拳を強く握り締めると、家へと帰った。


「ただいま。」

「お帰りなさい。どうだったの?」

 瞳には井長先生から言われたことを、全部説明した。


「ごめん、でも、まだまだこれからだから、原因が分かれば治るよきっと。」


 瞳は下を向いているが、もう声をこらえながら、床に落ちていく涙を見て、抱き締める。


 抑えきれなくなった泣き声に釣られて、聖夜も泣き出した。


 二人を、抱きしめながら

「大丈夫だから、治るよ。皆でやりたい事が、まだ沢山あるからね。

 聖夜とお酒を飲んでもいないし、結婚式も見てないしね。」


 やりたい事、食べたい物、行きたい所など、話ながらその夜は、3人で川の字になって・・・いつもの川の字が隙間なく、ひとつ《一つ》になって眠りについた。



 ※ ※ ※ ※



 翌日から、病院へ連絡と仕事のスケジュールと調整しても11月も終わり頃に予定を入れた。


 予定は2週間である。検査項目も血液検査、レントゲン、CT、MRI、心臓カテーテル検査など、流石に先生に、全て任せていたら話しも準備出来てるようだった。


 会社にも、病院へ検査入院する事になった事を伝えた。


 上司も先輩も同期も後輩、みんなが、優しくて

「ゆっくりして来い。」

「しっかり直して戻って来いよ。」

「中途半端が一番悪い、治るまで戻らんでいい。」

 と笑顔なのに(あれもこれも取っといてやる。と聞こえて来る感じ。)戻ってからの仕事量が不安だぁ。


 バタバタと準備が進む。


 道具は、着替えや洗面具など、瞳と帰りに買って確認していく。


 1日また、1日と月が終わろうとしていた。


『それから、瞳は気づいているのだろうか?』


 入院して、検査後から治療となるとクリスマスには戻れるのだろうかと・・・



あとがき

いつも、読んでありがとうございます(*´ω`*)

今回は、お盆で1週間お休みします(._.)

次回は、8月24日に掲載いたしますので、宜しくお願いしますヽ(=´▽`=)ノ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る