第二話初陣
第二話初陣
これは俺にとって初めての戦い……俺たちが勝っても山賊たちが死ぬ……でも山賊たちの中には嫌々やってる人もいるはずだ。もしいたら仲間になってもらえないだろうか?
……そういう甘い考えが死を招くのは知っている。しかし敵だとしても……その人たちにも家族が……
「ちょっとラウルなにボーッとしてんの! もうすぐそこまで来てる!」
「ごっごめんクロエ、みんな……もう大丈夫だから!」
「それでラウルなんでさっきボーッとしてたの?」
「この山賊たちにも家族がいるかもしれないのに殺すのは……って考えちゃって」
「ラウルのそういうとこ、昔からす…………って違う違うから何言おうとしてんの私!!」
クロエがそう叫びながら山賊たちに突っ込んで行ったのだが山賊たちをバッタバッタと倒していた……また俺は守られるだけなのか
そう考えていたときケルヴィンさんが
「さすが俺の弟子だな!」
と言った時テッドが
「親父いつのまにクロエを弟子にしたんだよ!! 俺が戦い方を教えてくれって言った時断ったのによ!」
「テッドは家でゴロゴロしてたからな……クロエは家の手伝いで村の外に出たりしたから……魔物にも会うからな、教えないと殺されるだろ。必ずしも大人が一緒に行けるかどうか分からんからな仕方ないだろ」
「そりゃあそうだろうけどよ、村に魔物が入ってきた時のために少しぐらい良かったじゃねえか親父」
「それを言われたらな……じゃあこの旅の最中なら教えてやるから、ちゃんとついてこいよテッド」
「任せとけって……俺のことを好きな子がいるんだろ!! その子にいいとこ見せてやるためなら、このくらいいくらでもやってやるよ!!」
クロエってこんなに強くなってたのか……って見てるだけじゃなく、俺が早く山賊頭を倒さないと……クロエが他の山賊を倒してくれている今がチャンスだからな!
俺は部下たちが次々倒され焦っている山賊頭のところに全力で走っていき首を思いっきり叩いた。理由は脳しんとうで気絶させて縛っておくためだ……もしかすると他に捕まっている人がいる可能性があるならその人たちのことを助けないといけない。
山賊頭を殺してはその場所を永遠に聞き出せない……だから俺はこの山賊頭を木に縛っている。
他の山賊たちは怖がって逃げていった……まあクロエのことを怖がったんだろうけど……でもまずはこの山賊頭に聞かないとな
「なあ、あんた他に捕らえてる人がいるんだったら教えてくれないか?」
「誰が教えるかよ!! なんで教えてもらえるって思ったんだよバカじゃねえの!?…………ひぃ、やっやめろぉぉおいなにする気だ!! おい答えろって言ってんだろうがクソガキ!!」
「なにをするかってそれはお前たちがいつもしてることだろ……たまに俺たちの村にも来たよな……なら分かるだろ」
「そのことなら謝るから!! なっ、ここは見逃してくれよ」
するとクロエが
「はあぁぁ何言ってんのあんた!! ラウル見逃さなくていいからこんなやつ!! 見逃したら…………ルアが何の為に殺されたのか分からないじゃない!! だからこいつはここで殺すのよ!!」
「見逃せって言ってんのが聞こえねぇのかよこのクソガキ共が!! 今すぐ殺してやる!! とっととこっちこ……ゴホッ……なんでこの俺様が殺され……」
「親父!! なんで殺したんだよ!? 連れ去れた人たちが……」
「こいつらのアジトはもう知ってる……ルアを助けるために入ったことがあるからな……あの時は一足遅かったが……もっと俺が速く行っていれば、助けられたかも知れないのに……ルナにも『ケルヴィンは悪くないからそんなに謝らないでよ……悪いのはあいつらなんだから』って言われたがルナがなその後に『私がこの手で絶対に殺す…………殺す殺す殺す!! 死んだ方が楽って思わせてもルアが味わった苦しみよりも苦しませてからじわじわといたぶって殺してやる…………どうしてルアがあんな目に遭わないといけないんだ!! 私のルアをよくもっっ!!』ってなってるのを見てられなくてな……本当はルナが殺したかっただろうが、俺が殺すことにしたんだよ」
「なら親父そのこいつらのアジトまで案内してくれよ」
その時ケントが
「外を知りたいって思ったけど、こんな酷いことがある……なんて……オエッ…………でも僕は帰らないからな!! たとえもっと酷いことを知ったとしても……そこだけは分かってよ!!」
そして俺たちは
「分かってるよ」とそう言った。
「今からこいつらのアジトに連れていくから戦闘の準備をしておけよ……こいつの部下がまだ残ってる可能性の方が高いからな」
そして俺はみんなにこう叫んだ
「分かった……みんな戦闘準備だ!!」
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