上京

捕獲作戦が、群れを四散させた

一旦は引っ込めたけど、網の目を縫ってみるのは低酸素運動のルーチン

貝を返してやる港町の日常に

手袋をポケットからぶらぶらさげた焦げた色の胸を晒す男たちの溝が落日のおえつになった


今、目前の人の群れは

波の会話を遮り

Z軸を形成し、球の一目に触れないでいい

階段の手すりに、私の影を喜んでいる

上唇の集まりは、

アクセサリーのケバブを持って

震える小人の墓参りに駆けつけて

頭を撫でてくれた


年寄りの湯加減は

カメラマンの大きな深呼吸に代表されて

甘いマスクに、のぼせたマーチも

ちんちくりんになる


未来の扇風機に、泥の河を

白書の指導する様々な憶測を記録して

誰かに合図するトランプな遊戯

ババ抜き

乗せるんだ!

昼寝する時間のありかを知っているっぽい

爺さんには秋のキリギリスを

まぶしてやれ!夜中の勉強は楽しく、

階段をインスタで映す

金の皿と、眩しい蛍光板が故郷の輪になるかもしれないや

船を出す日まで、シップナースって

資格いっぱい

不埒な対話がいっぱいだぜ


先生はぎこちなく踊りだし

あまりに広い南の海の

糸を垂らした空想する隙間が

遺伝子学の白衣に許さられるだろうに

データが、また踊る


標識を全身に、

気合いを、記録して

はえ縄をもって成人は

泳ぎ回ってるから

せめてそれらしい荷姿をかついで

わたしは気まぐれな東京を歩いてく

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