砂の神殿(『楽園の女王2019,2024(再演)』より) mid2

<幻想詩>

旅支度の寮の一室に

鳥が海からやってくる

古木に夏の雨をはらう

寝室の滑り台が夜の女の三つ編みをほどきながら残しているように、少し影を帯びてる

窓から、丘に見えるのは

朝礼久しくない、午前5時の就業の鐘楼さ

合図は昨晩も見た元栓閉じてるか、チラリと見て今は降りる


黒い船から積み荷の最後の一箱で、人の群れが集まってくる。

じき王家の紋章をあしらえた一艘の船が島の小さな湾内に入場して、

穴蔵にかんぬきおろすのも、多分商人

にわか仕立ての捜索隊に呼ばれて

トーチカにしか見えない館の頑丈な土台

朝に、水虫の湧いた蔓

夢に祈った

戦場の寝ぐらが、干し草を半乾きにしてしまう 鳥のグアノになって、発酵食品まで腐る

放火の夜明け


 かつては、仲間と呼び

 嫌いだったけどな、あいつ

 でも点にも満たない支配なんて文明人には

 転倒した快楽に見えた

 流刑地の規律は厳格であり、

 フカの柔らかい口吻も、

 障害物走、からのカーリング

 ほっそりした海峡の口を磨く船はまだ、

 早い出荷だ

 

美味しい獣の肉を包む

鳴き砂のある湯船は、

いつのことか、つぶらな貝殻を

食した団欒も、輸送品のストックのおかげなの

昔、本で読んだ

ジャポニカ

得宗高時の御前 闘犬師の握る犬の豪華な首ひもが宇宙の泣き言を拾ってた時からあったかもしんない


生き物が溢れてしまう

戦える魂が隣島から、テレパシーで連絡する

まだ見ぬ地平は懐かしくて

ゆっくり組み上がった

佐官の祠が倒れたの

隠し扉のある 巨人から受け継いだ

王家の眠る墓地の隣

孤児院の玄関前に腰掛ける


何を待っていたのか

チリチリと

時間をかけて流れていく砂の河を

跨ぎ、踏みしめて

砂を掬う


どんなしなやかでも風に倒れていく

砂漠ではない名前が、違う

赤くて膨らみがある砂丘

襞のある

海。

まず、俺の目に

海が飛び込み

襞のある、道具を使った

ヘラのトントンが

砂丘に見えない戦車のキャタピラー痕を刻む

私の足で立ちながら、病気か、

紫がちな夕陽の砂か

遠くの方が、、


より白い電流が

ラグーンの跡

塩湖の消息を消して、空を染めて

まだ見ないけど

見てみたい

風に揺れる、陽炎か

推し広げる、いつか立ちたかった

あの日の砂の生き物を誘っている

砂の道?河のように枝分かれする

曲線。


紫の日の当たらない空間

やはり、襞崩れ落ち

砂の練り物の糸が子宮を温める。


やや小さな視界の

線虫。

腹の中で悲しみが砕かれる

砂の力で?

前に進もうとしていて

先が見えても。子宮が?


足が開かれる出血


やや扁平な寄せる

風によって打ち寄せられた砂

よくある

砂丘の憧れが扁平に

枯れても生きている河

に向かう


稜線を辿っていいですか?

選択の時間があるだけ、幸せだと

あの、白い塩湖の跡で。。


藍色のキャタピラー痕がある砂丘の襞

見えない

海の中へ入りたければ、


窪地の立体感。。

誤魔化されない

波に固められる

無人島の穴から空を見ようよ

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