6月1日　弾丸は行き場を失くした　ツークツワンク　空が落ちる歌が生まれる

6月2日　これからの話をしよう街灯は夜を照らす紫陽花は青く

6月3日　夏は歓喜私は短気いきしちに　鞠の跳ねる夜/首を刎ねる世

6月4日　音楽は人の形をしているか　熱り立った墓石が冷たい

6月5日　よく聞いてこれはあなたに言っている目を逸らすのは後ろめたいから？

6月6日　ぼくらまだ孤独でありたいそばにいて　悪魔の笑顔がよく見える夜

6月7日　ひねくれた眼で見つめるゼラニウム　美しき日々美しき旅

6月8日　スポットライトみたいな月に照らされて　駒鳥はうたう最後の歌を

6月9日　痛みには少し慣れた気がしてた　愛のまにまに波のまにまに

6月10日　きみのめのとどかぬところでしあわせになりたい天国はまだとおい

6月11日　幸せのかたちは全部違うから　この空白に合うのがほしい

6月12日　丁寧な暮らしをするのはむずかしい　許されたいよおままごとでも

6月13日　青い惑星巻き戻しは利かない　滲む朝日が懐かしいけど

6月14日　ハンドルは緩やかに切る陽炎の坂道はもうすぐ目の前に

6月15日　知りたいよ君がいいねと思ったこと　そんで心底嫉妬したいよ

6月16日　今日もまたネガティブをアップロード　不幸自慢がよくお似合いで

6月17日　夏の陽に勝ちたい怠い昼日中　無人の喫煙所でダンス

6月18日　手前勝手に定めた運命欲しいのは恨みつらみのラブレターだけ

6月19日　終末が来る僕たちは言葉を尽くして天命を待つ

6月20日　頼りなくカラカラ回る扇風機　眠れぬ夜を共に越えよう

6月21日　スクラップアンドビルドの御使いが　柔く囁く西日は眩しい

6月22日　神様が内緒にしたからこの恋はシンギュラリティ　平等じゃない

6月23日　改札の別れの後の逡巡の　胸の痛みのほろ苦さの

6月24日　複雑に絡み合った後悔と夏はこの身に酷く馴染んで

6月25日　前髪がいつまでたっても決まらない　手書きの日常うつくしい朝

6月26日　炭酸の泡から始まるこの夏は　失くしたものを取り戻す夏

6月27日　君のためじゃない命が燦めく夜　寝てる場合じゃないから走るよ

6月28日　気になったコトモノコトバは過ぎ去って　愛してたいのは何気ないソレ

6月29日　さようならよりもまたねと言いたくて　何も知らない子どものフリした

6月30日　私だけ見ていてほしい　言うだけはタダでしょ期待せずに待ってる

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