2024年3月
3月1日 希望とは「大丈夫」と「大丈夫だった」 のミルフィーユ(苺も添えたい)
3月2日 傷は治る月は満ちる まだ暗い春照らす灯火
3月3日 故郷は今日もこころを支配する 曇り空が一番きらい
3月4日 午前九時なんでもできる気がしてた あなたを抱きしめることすらも
3月5日 この先も無駄を愛していられるか 地図に撒いた星屑を辿る
3月6日 忘れない水面に映るその姿 かつてのように輝いていて
3月7日 くだらない迫真めいた落書きを 繰り返す旅終着は春
3月8日 白魚の指が切り取る車窓越し 獅子吼潮騒夕景は彼方
3月9日 並び立つ高層ビルが涙する 針落とす月傲慢なエレジー
3月10日 春泥や骨の髄までエゴイスト たまには背伸びも悪くないか
3月11日 いたいけな君が描く青写真 ここに在るべき理由になりたい
3月12日 ひとりでは横断歩道も渡れない 営みの都邑営めない僕
3月13日 いつ見ても同じ輝き放つ花火 わかりあえないことの尊さ
3月14日 紅梅に滴る悲しみ心を穿つ 雨足強く傘は頼りない
3月15日 止めどなく流るる言葉は免罪符 花盗人が許される迄
3月16日 運命じゃなくてもいいよ遭えたなら 束の間のとき抱き締めるだけ
3月17日 ここに来てはっきりわかった人生に 必要なのは愛と締め切り
3月18日 もう君はいないんだねと独り言つ 無かったことにはできないけれど
3月19日 かなしみは白い嘘 逃避行がよく似合う朝
3月20日 それは過ぎし日からのラブレター 答え合わせはもう済んだか
3月21日 もう一度もう一度が苦しい ゆく末よりも過去が知りたい
3月22日 都合良い痛みと共に鈍色の 僕は冷えた手伸ばすばかりで
3月23日 そうやってまたはにかんで誤魔化して 煙に巻かれて雨降りの夜
3月24日 まだ寒い三月末の海が鳴る 誰も知らない教室の隅
3月25日 春は何処君は何処 桜のつぼみ三階の窓
3月26日 宇宙から見下ろしたきみ笑ってた 神様はもう助けてくれない
3月27日 神様が助けてくれなくったって 踊ってりゃまぁなんとかなる
3月28日 春愁さみしい夜に寄り添える やわらかな運命になりたい
3月29日 予報では晴れだったのに土砂降りの 雨止まなくて僕らの恋路
3月30日 古傷はネオンサインめいて それは目印それはドグマ
3月31日 無遠慮な春に浮かれる対岸の 君が呼んでる私は手を振る
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