2023年11月
11月1日 太陽の花は道標別れても 迷わずここへ戻れるように
11月2日 四十八転がり落ちるいろは坂 短い歌は誰の中にも
11月3日 四六時中三々五々に躍る群れ 鴨川デルタ頬の冷やかさ
11月4日 二十五度未だ夏日の薄紅葉 ホットコーヒー、やっぱりアイスで
11月5日 まな板の鱗をはじく暮方 きょうはなんにもできなくていい
11月6日 その温度だけが確かに本質で 全てを知りたい傘は差さない
11月7日 終電に間に合ったけど行き先を 間違え結局タクシーに乗る(みたいな日々)
11月8日 リフレイン消えない足跡残したい 優しい君の柔い心に
11月9日 買い溜めたカップラーメン灯にかざす 眠れぬ深夜爪先は冷たい
11月10日 永遠に消えない炎手に入れて 留めるも愛見送るも愛
11月11日 おしなべて愛する覚悟はできている 山は粧い人は着做す
11月12日 身に余る幸福はただ辛いだけ 知ってる星座はオリオン座だけ
11月13日 耳澄ます薄明かりの喫煙所 十一月のジングルベルと
11月14日 それは来る誰のもとにも平等に 名うての王も死ねば骨だけ
11月15日 じっと見る未開封の缶ビール それでもいいと言ってほしいの
11月16日 人々は急ぐ冬のいとなみ 地球をついばむハトもいるし
11月17日 天井を泳ぐ二頭の赤クジラ この命はグラデーションなのだと
11月18日 いつまでもいい塩梅がわからない インスタントコーヒーも君とのことも
11月19日 本物か偽物かは関係なくて CGのネコCGの愛
11月20日 自分だけの楽園はいま崩れ去り アノラックから覗く新天地
11月21日 眠れる森のキミ今すぐに 叩き起こして夜通しダンス
11月22日 朝昼をやり過ごしては夜の果て 地図さえあればどこへでも行ける
11月23日 今日もまた眺めてるだけ深窓の 居心地はさぞいいのだろうね
11月24日 往古来今愛にかたちはないけれど その手触りはきっと優しい
11月25日 一ミリも逃したくない喧騒の中に確かにあるメロディ
11月26日 指されても見つけられないおおいぬ座 プラネタリウム窓辺のシガリロ
11月27日 消閑のためだけにある運命は 狐火頼りに往く獣道
11月28日 ああ終わってしまうのだと明け方の 薄い影は静かに笑う
11月29日 退屈な午後と何ら変わらない 固まったまま溶けないハチミツ
11月30日 クラシック流れる霧の深い昼 囚われている虚ろな現実
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