2022年12月

12月1日 大事だと思うところにマーカーを 気づけば視界はカラフルだった


12月2日 行く先は灰になる身だとしても 無かったことにはならないから


12月3日 決めかねるどっちつかずは罪なのか? 境界線の上でうろうろ


12月4日 ずれていく走りだしたら止まらない ブレーキなんて端からなかった


12月5日 正直な話をすると地味な子に 人生めちゃくちゃにされてみたい


12月6日 口笛を吹く君の善き隣人に なれないならばいなくなりたい


12月7日 愛だけじゃ出来ることは少なくて それでも求めるいきるために


12月8日 麗しき人魚の棲む惑星は みんながみんな同じ顔でいる


12月9日 幼気な執着を恋と思い込む 夜の帳とホットミルクと


12月10日 宵の口さえ酔いに逃げ本当は 羨ましいよ上手く笑えない


12月11日 長いことかかってしまった気付くのに ドーナツホールは確かにあった


12月12日 細い糸を撚り合わせたような日々 頼りなくもあり縋りたくもなる


12月13日 タイピング紡ぐ物語タイピング 世界の終わり僕の始まり


12月14日 ままならぬ甘党の恋ひたすらに カップの中の角砂糖のよう


12月15日 わがままなあなたの熱に侵されて お餅ふくらむ気持ちふくらむ


12月16日 熱燗でお願いします寒い日は これで明日も乗り越えられる


12月17日 柵の奥あの白黒はパンダかも 近くで見たら結構茶色い


12月18日 あれしたいここ行きたいと思案して 北海道でのリベンジ誓う


12月19日 どこにでも現れる猫ニヤニヤと 内緒話もできやしないの


12月20日 冬を往く赤い電車を見送って いつか来るきみ待ち続けてる


12月21日 改札の向こう側では神様が 背中を向けて振り返らない


12月22日 必要なモノって実はそれほどない ただ煙草ときみさえいれば


12月23日 今日までの記憶が全て消えたって またこの道に戻ってくるんだ


12月24日 来年は特等席で見られたら 五つとなりに座る横顔


12月25日 鳴り響くジングルベルが聴こえたら 輝く星に願いを込めて

 

12月26日 夜が明けて夢から醒めて目が覚めて リセットボタンは見当たらなくて


12月27日 暗い部屋視線の先に君がいる エンドロールが流れ続ける


12月28日 まだ何も考えられぬ朝ぼらけ 騙し騙され自分に酔って


12月29日 手に掛けるただ欲しかった嘘じゃない あの宇宙をも切り取る瞳


12月30日 湧き上がる喜びは色とりどりに 明日明後日その次の日も


12月31日 今はもう死んでいるけど平等に 年は明けるし未来はあるし

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