2022年10月

10月1日 走れども置いていかれる届かない 横スクロール横スクロール


10月2日 にべもなく「僕たちだけが確かだ」と 最果てはきっと金木犀の香


10月3日 頬を切る冷たい風と言の葉と 座り込む鳩未明の公園


10月4日 僕の死は君の瞳を濡らさない こっそり繋いだ手だけが知ってる


10月5日 悲しみの朝親しみの昼慈しみの夜 双無し至上の人生


10月6日 最後には翼が融けて墜ちるけど あの時見えたすべては本物 

 

10月7日 「じゃあ次は」とカレンダー撫で時流れ 私のことは忘れてしまった? 


10月8日 どこまでも鈍いあんたを待ったけど 墓場往くには今さら遅い 


10月9日 恋人になってほしいとは言わないよ ただ記憶にさえあればいいから


10月10日 お手製の愛は脆くも崩れ去る 接着剤さえここでは無意味


10月11日 脳みそを占拠している宇宙人さっさと出てけ蜜柑やるから


10月12日 好きだったあれこれも過去に置き去って また違う『好き』に狂うでしょうね 


10月13日 サイコブルー乱れた思考救うのは 丑三つ時のカップ麺だけ 


10月14日 真夜中の逢瀬九月三日のこと 傷にもならないもう忘れたい


10月15日 夢に見たステンドグラス燦々と 欲しいのならば飛び越えてこい


10月16日 一度だけ観たあの映画なんだっけ 思い出すのは艶やかな瞳


10月17日 エスケヰプ君の心は此処に無い 蹴り飛ばしたい解ったような顔


10月18日 水無月を彩る紫陽花さながらの 知らないうちに増える青あざ


10月19日 愛うたう代償と罰拒絶して 不協和音が耳に響いた


10月20日 満ち欠ける溶けた時間は戻らない 叶わないから眩しいのでしょ


10月21日 いつもそう欲しい時には見つからない どこ行ったんだリップクリーム


10月22日 いつからが秋かといえば簡単で 肌寒さとか人恋しさとか


10月23日 UFOよ相も変わらず揺蕩って そこはどこで君は誰なの


10月24日 ある5月片手で振るう中華鍋 チャーハンの中に咲いた花とは


10月25日 茜空きっと見ている異郷の地 絵文字連打君に届けと


10月26日 鍵かけた君の心は永久に 花冠と荊の道と


10月27日 朧月うさぎ跳ねるは誰の為 餅を搗くよりこちらへおいで 


10月28日 根無し草のような生き方嫌いじゃない 流れに任せここまで来たの


10月29日 「久しぶり」「おかえりなさい」「また会えた」 いつか言わせて待ってるからね


10月30日 奇跡的大胆不敵無敵すぎ だって私は生ける屍


10月31日 ついに今日準備はオーケー待ちに待った ハッピーハロウィンお菓子ちょうだい

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