第34話 中間地点
異世界人が4人もいるパーティーは、特に攻略で詰まることなく10日目に50階へ到達。未来予知のせいで基本的に5階層分を攻略するだけなら5時間程度で済んでしまうから休みなしでも疲れは溜まらないし、思う存分戦えているのでストレスフリーに塔の攻略が出来ている。何というか思っていた以上に拍子抜けしたというか、自分とシュヴァルツさんが強い。
剣聖のレベルも39にまで伸びたし、シュヴァルツさんの村長のレベルなんて48レべでもう少しで50の転職ラインだ。……うん、塔の攻略開始時には1レべだったシュヴァルツさんの村長レベルに追い抜かれるぐらいには剣聖のレベルアップ速度が遅い。
「中ボス前に報告なんだけど、時間停止の消費MP量が若干減った気がする。
体感1割減ってるねこれ」
「魔法判定なのねそれ。
となると、習熟度がMAXで消費MPは半減するはずよ」
「使い込んだら成長するって、そういうことなんだ。
MPが今は840だから、消費MPが9で2秒換算だとすると、体感で3分は止められる」
「……変なことしてないでしょうね?」
ただMPはフリーポイントを極振りしたお陰で840まで伸びてるし、時間停止の秒数は確実に伸びている。レクアさんによると、魔法系のスキルは使い込むことで消費MPが半減するらしいから最終的には相当長く時間停止が出来そう。……魔法使い系の職業だと確か賢者のMPの伸びが凄まじかった記憶があるけど確か1レべ当たり30だったかな?消費MP軽減系のスキルもあったはずだし、時間停止が魔法扱いなら賢者の方が良かった説はある。
迎えた50階の中ボスであるビッグベアーは、当然ながら時間停止からの斬撃を飛ばす奴で一撃死した。無事にボス部屋を突破すると、中央にエレベーターがあるけどそのエレベーターを囲むように4つの扉がある。今、自分達が出て来た方向の扉を含めて4つで、この4つのうちのどれかが次の階層である51階に繋がっているという仕様。
扉の向こう側には漏れなくビッグベアーがおり、普通の冒険者だと苦戦するというか死者も多い。……リスポーン間隔は10分ぐらいらしいので、この4か所をローテーションするのはレベリングに最適な気がする。
明日51階へ向かう際は最低で1回、最大で4回ビッグベアーと戦う必要があるって感じだね。51階以降へ行ける冒険者と行けない冒険者で冒険者ギルドは明確に線引きしていて、とりあえずビッグベアーを倒せたら戦闘力でBランク判定らしい。どこかで聞いたことのある説明だ。
……これ、100階もこの仕様じゃないかな?となると、合流する世界が複数ある可能性も少なからずあるわけで結構心配になってくる。自分のような存在と、下手したら戦うことになりそう。
「今なら51階への道が1/4から1/3になってるけど、そのまま突き進む?」
「いやいつも通り今日は解散で良いんじゃない?明日は50階に留まってレベリングしよう」
「お、それ良いな。
村長レベルがもうすぐで50になるから転職しても良いか?」
「エレーナさんも転職するし、明日はここで一旦レベリングを挟んで良いと思うよ」
「……ここでレベリングということはビッグベアーを延々と周回するというわけね。
まあ瞬殺だったわけだし、反対する理由はないわ」
ビッグベアーの買取価格がウルフと比べて安いなとは思ったけど、ここで素材が大量に得られるから市場価格が崩壊してるんだ。それでも肉の需要とか毛皮の需要は尽きないから、一応それなりの値段で買い取られているって感じかな。
宿に帰ったら、エレーナさんとフィルスちゃんのステータスを自分で確認しつつ、自分の得たスキルについてエレーナさんとフィルスちゃんに説明。
「さっき40レべになったから剣聖のぶっ壊れスキルその1、見切りを手に入れました。転生前に効果を確認してるんだけど、相手の命中がどれだけ高くても最低3割の確率で躱せる。自身の回避の値が相手の命中より高いと効果は倍でほぼ当たらなくなる……らしい」
「……これ、回避ってどういうパラメーターなんでしょうね?確かに相手の命中が低くて、こちらの回避が高いと避けやすい感覚ではあるんですけど」
「躱す際に敏捷に補正入ってる感じでシュンって躱せるよね。
……時間停止した時に敵のステータスみたら回避0になってたけど」
剣聖のレベル40で手に入るスキルは回避系のスキルでそれなりに有能そうなスキルではある。たぶん回避の計算式的なものに基礎価で+30が加算されるタイプのスキルなんじゃないかな。……剣聖のコンセプトとしては躱して必中攻撃を連続で叩き込む感じなのだと思う。ステータス的には敏捷が一番高くて、命中と回避にはそれぞれスキルが加わる感じだし。
……いや、剣士、剣客、剣豪の序盤で手に入るスキルを持ち越しするの前提だからこうなってるのかな。でも自分は50レべ超えても転職する気はないから、100レべ超えるまではずっとこのままでいるつもりだ。
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