第32話 装備
私の100階の予想としてはとてつもなく強い敵や、パーティーをそのまま模倣してくるコピー体を挙げて、実際の予想は話さないでおく。……この世界、何が一番しっくり来るかというとソシャゲの世界なんだよね。神様がゲームのプレイヤーで、自分達転移者転生者はゲームの主人公。
ステータスがある時点でゲームの世界っぽいなとは思ったんだけど、塔の存在である程度察したよね。そして1万階もある塔の100階がクリア出来ない時点で、100階には特殊な何かがあることは分かる。
……創造神がソシャゲの運営みたいなことを言い始めた段階で、ソシャゲに限りなく近い世界だとは思った。となると、別のサーバーというか別の世界というものがあるんじゃないかな。
その別の世界との合流地点が100階だったから延々と100階を封鎖されていた。いや、クリアしても良い時期があるということはどこかの世界が100階の封鎖を突破してその別世界と繋がったら、リセットがされている?
……まあ、何にせよ100階に行ってからだね。引き返せない以上、準備は万端で挑みたいけど何があっても時間停止で何とかなる気がする。相手に能力無効化持ちがいなければの話だけど、能力が効かなくてもステータスの暴力で何とかなりそうな気がする。
個人的にずっと疑問だったのは、この世界にはレベル上限がないと転移時に神様が言っていたのに、100レべが上限扱いされていること。実際、100レべになるとレベルが上がらなくなるらしいし、100レべが上限であると認識するのは正しい。
でもこれ、100階をクリアしたらレベル上限が200までとか300までとか増えていくんじゃないかな。ソシャゲに近い世界なら、この説が一番しっくり来る。……自分以外にこの考えに行きついていないっぽいのは、レベル上限がないと神様に教えてもらえてないからかな。
この日は喫茶店で解散となり、翌日に自分はドワーフのガンドロフさんから装備を受け取る。どうやらレクアさんから追加の報酬を渡されて、超特急で仕上げたらしい。しかもシュヴァルツさんとクオンさんの分の鎧まであるからレクアさんは相当お金を持ってたね。まあ、99階到達者だから今までの貯金がかなりあるのかな。
【ステータス】
名前:カリン
職業:剣聖
レベル:32
HP:410/410(10)
MP:700/390(10)+310
攻撃力:492(12)+300
防御力:410(10)+55
魔法攻撃力:328(8)
魔法回復力:246(6)
魔法防御力:410(10)+55
命中:533(13)『×1.5倍』
回避:492(12)
技力:492(12)
敏捷:615(15)
フリーポイント:0
スキル:『時間停止』『斬撃』『鷹の目』『魔力分解』『寿命+10.00年』
これ剣士が普通は持ってる剣適正さえあれば攻撃力+450だったんだよね。ただ現時点で攻撃力は合計で792なんだけど、99階まで防御力が500を超えるような敵すら稀なようだから700もあったら十分らしい。……剣聖がステータス的に強すぎるよ。
というかミリーさんとそう変わらないステータスにまでなってるそうなので、ミリーさんあんまり強くないね。まああの人が強い部分はそういう所じゃないんだろうけど。豪運持ちだから、たぶん常にクリティカルヒットしてるんじゃないかな。
「これで32レべってバグってるわよステータス」
「まあ初期ステータスも高かったし……そうだ、パーティー名は『先陣冒険団』にしといたよ」
「……まあ、それは好きにしたらいいわよ。それで、支援はどっちの国にするの?」
「んー、支援は王国からも帝国からも受けないで行こうかなって。たぶん100階クリアしたら王国と帝国で揉めてる暇ないと思うんだよね」
王国や帝国からの支援というのはそれなりの額のお金と、俗に言うクリティカルヒットを防ぐミサンガ的なアイテムのプレゼントや、100階クリア時の特殊な報酬の約束などがあった。でもまあそんなにクリアに影響するとは思えないし、たぶん下手に内輪揉めする要因を作ってしまったら面倒なことになると思う。
パーティーとしては前衛が自分とシュヴァルツさんとレクアさんで、後列は社畜3人組だね。冒険者は基本的に塔を4人から最大で8人程度のパーティーを組んで攻略しているっぽいし、平均的な人数かな。10人を超えて来ると戦闘時に窮屈だし、全員で戦いにくいからしょうがない。たまに20人を超えるような人数で攻略していってる人達もいるらしいけど。
レクアさんが帝国をオススメして来ていたし、シュヴァルツさんも王国のことをよく分かってなかったから帝国派なんだけど、自分は一応王国派。社畜は主人に従うしかないので現時点でパーティーメンバーは3対3になってしまっている。ここで揉めるぐらいなら、支援なんて貰わなくても良いんじゃないかな。
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