第28話 6人パーティー
塔の街バーメインに戻り、シュヴァルツさんに即席パーティーで組むことについて相談してみるとOKの返事が。まあシュヴァルツさん側にこの話を受けて不利益な点はないしね。分け前は6等分になるので、社畜を2人抱える自分はこのパーティーの上がりの半分を貰えることに。たくさん倒しながら塔の攻略を進めていくだろうし、たぶん結構稼げるんじゃないかな。
ただ自分の剣と鎧の更新がまだのため、この剣と鎧の更新が終わったら塔を駆け上ることにする。ついでにフィルスちゃんとエレーナさんにもドラゴンの鱗を使用した鎧というか防具を用意しよう。軽くて硬いから、ドラゴンの鱗を使用した防具は塔の50階付近でも十分に通用するらしい。
ステータス的には防御と魔法防御力に+50ぐらいのイメージかな。かなり強いみたいだし、自分以上にエレーナさんやフィルスちゃんの安全が確保出来るのは大きい。
80階を超えて来ると敵の攻撃も強くなってくるそうだし、回避能力の方が大事っぽいけどね。とりあえずミリーさんに鍛冶屋まで案内してもらうと、中から出て来たのは転生者だった。この世界、異世界人めっちゃいない?
「ドワーフに転生ってめっちゃマニアックな選択肢しましたね!?」
「ちげえ、ドワーフへの転生は希望していたわけじゃねえ。
ただこう、生産職を希望したら勝手にドワーフにされたんだ」
どうやら元々生産職を希望して転生したみたいだけど、それで種族:ドワーフになるのはちょっとかわいそうな気がする。イメージ通りの低身長だし、髭が凄いし。ただお酒好きは前世かららしく、ザルのように飲める今世の身体を気に入っている面もあるとか。力持ちにもなったみたいだしね。
同じドワーフの嫁さんも迎え入れているんだけど、なんかめっちゃ可愛いロリ巨乳だったから人生の勝ち組にもなってる。塔の街で一番の鍛冶屋ということで、相当儲かってもいるのかな。
「鍛冶師レベル78って凄いですね!?」
「あん?
勝手にステータス見るのは構わんが喋るな。
見た感じ転生側だが常識ねえのか?」
エレーナさんがいつも通り鑑定し、鍛冶師78レべってことに驚いていたけどまあ転生者なら塔を登るよね。地道にレベリングもしているっぽいし、自力で塔の50階ぐらいまでならソロで素材持って帰れるらしい。
このドワーフのガンドロフさんに、ドラゴンの死体を1匹分渡して防具を作ってもらう。3人分ならこれで作れるそうだし、作成料は1着10万円とまあそれなりにするけど案外安い。
「剣の方はどんな感じのが良いんだ?」
「切れ味は悪くても良いからとにかく高耐久」
「……時間停止してたら殴打でも十分な攻撃だろうからわからんでもないが、切れ味悪い剣は作らんぞ」
「そっちも鑑定持ってるの!?」
「当たり前だろうが。あとなんだ剣聖って。剣豪の上位互換か?」
「あー……一応?」
ガンドロフさんも鑑定持ちだったので、異世界人の鑑定所持率が高すぎる。あと勝手に喋るのダメってガンドロフ側が言ってたのに喋るんだ。……鑑定士を50レべまで上げたら持ち越せるスキルだし、異世界人ですら所持率が高いんだから自分も取りに行かないといけないかなあ。
……ただ、剣聖を一度手放すとまた剣聖に戻ってくるまで相当苦労するのは目に見えている。剣聖のステータスの高さを1割引き継ぐことを考えたら、せめて50レべを超えてから転職したい。
「剣の方は250万円で良いぞ」
「たっか!?
んー、ドラゴンの死体もう1体丸々渡すから100万円ぐらいにならない?」
「ステータス的には攻撃+300ラインの剣を100万円は強欲な奴だ。
……ドラゴンの死体はさっきと同じ感じか?」
「さっきのよりかは損傷大きいけどほとんど変わらないよ」
「なら交渉成立だ。3日後に取りにこい」
防具が安かった分、剣の値段がべらぼうに高いと感じるが、ステータス的には最上位のものを渡してくれるそうだしポンと100万円を払う。……ステータスで攻撃+300って結構どころかかなり高いし、塔をクリアしていくには装備品の重要度も結構高そうだね。
一応、望み通りに頑丈さ第一で剣を作ってくれるらしい。最終的には鍛冶師のスキルで剣や防具を作成していくそうだけど、見ても面白くないからとガンドロフさんには追い出された。まあ3日で剣が出来るなら本来剣を作る工程はだいぶ飛ばされているんだろうね。スキル万歳だ。
後は100階までの地図も買っていくけど35階、55階、75階、95階にそれぞれ空間があるのは怪しい。15階の空白と似たような位置にあるし、これ10階毎に真ん中にあるエレベーターと同様のショートカットなんじゃ?
ただ、自分と同じようにショートカットなんじゃないかと出入口を探し回って最終的には人生を棒に振った人もいるから深入りはしないでおこう。……自分の予想が正しければ、少なくともこの部分が解禁されるのは100階をクリアした後だ。
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