第26話 ドラゴン狩り
塔の再走をする前に、塔以外でレベリングが出来るところを探したところ、結構近い街の外れにある洞窟にドラゴンの群れが住み着いたという噂を聞いたので早速狩りに行く。列車を乗り継いでいけば、そこまで遠くはなさそうだ。
「王国領側で良かったね。王国民のまま帝国に入るの結構苦労するらしいし」
「あの……倒せるんですか?」
「余裕余裕。
フィルスちゃんは今回のレベリングで50にまで上げるつもりだからそのつもりで」
「……ケホッ、了解です」
フィルスちゃんはもうすぐで50レべになりそうなので、遊び人からは転職させるつもり。流石に遊び人のレベルアップ毎のステータス上昇量が低すぎて100レべになるのを待つのは無理だったね。
転職先としては、遊び人のレベルが30を超えた段階で選択できる勝負師。遊び人のレベルを50にまで上げる理由はそこまで上げないと短期での転職は出来ないからだね。一応、投擲スキルを持ち越せるし、戦闘スタイルはさほど変わらないかな?
さて、列車を乗り継いでドラゴンの群れが近くの洞窟に住み着いたと噂の街に着いたけど、ドラゴンは街を襲ったりはしないらしい。まあ大砲が城壁の上に並んでいるし、鉄砲を持った軍隊が街を守ってるから早々に人間のいる街を襲ったりはしないのだろう。
しかしながら、街道全てを守ることは出来ないようで被害は出ているし、近い将来討伐隊が編成されるらしい。その前に、ドラゴン達を狩り尽くそう。
例の黄金のスライムのお陰で手に入ったお金は、全部巨大なアイテムバッグに費やしました。ドラゴンの素材は高値で売れるし、ドラゴンを狩るならドラゴンが入るアイテムバッグを用意するのは当然。
お値段200万円で、ドラゴンが10体は入るアイテムバッグを手に入れられたので個人的には満足。当然、それなりに大きいけどフィルスちゃんに担いでもらおう。病弱スキルは成長してるのかしてないのかイマイチ分からないけど、出会った頃よりもしんどそうな日と大丈夫そうな日がくっきり分かれて来たから成長してるっぽいね。
街に入って、洞窟の方角を把握したらそのまま直行。一応ダンジョン内で野営するための準備とかもしてきているし、宿の準備なんてしなくても大丈夫でしょ。それよりも他の冒険者達に先を越される方が不味いし、冒険者ギルドを探して依頼を受ける時間が勿体ない。あ、街からでもドラゴンが洞窟のある方角へ飛んでいくのが見えたね。
「……おお。大きい」
「あのこれ今時間止まってます?」
「止まってるね。
じゃあまず1体目は私が倒すから、2人は2体目以降のトドメをよろしく」
「……ケホッ、了解です」
現場に到着すると、5体のドラゴンが出迎えてくれたので1体目はまず自分が倒すとレベルが26レべから29レべまで上がる。レベルの上がる速度が遅い剣聖でこれなら、フィルスちゃんどころかエレーナさんも50レべになれそうだね。
「……50レべです」
「じゃあ後はエレーナさんが狩っていって。フィルスちゃんはそこでストップね」
「ええっと、パワーレベリング過ぎて不安になってくるんですけど」
「さっさと狩人から上になって貰わないと私が困るから早く」
2体目のトドメを刺しただけで、フィルスちゃんは遊び人のレベル50に到達したので残りはエレーナさんが倒してエレーナさんも44レべと結構なパワーレベリングに成功した。自分は最終的に32レべだね。
地味に30レべで手に入れたスキルの魔力分解が強力なスキルで、このスキルを発動させると剣に自分の魔力を纏わせるようになり、敵の魔法攻撃を防ぐことできるスキル。確か、職業選びに見た時の説明文では自分の魔法防御力分の相殺が出来るって感じのスキル。また今度、魔法を使うような敵が出てきたら試してみよう。
「……時間停止が転生特典ですか?」
「そだよ。絶対に話すのは禁止ね。
まあ他の人から漏れていくと思うけど」
とうとうエレーナさんが自分の時間停止について把握したけど、シュヴァルツさんとかも把握してしまっているし、鑑定スキルがある以上は情報が流出するのは仕方ないことなのかな。何か羨ましいものを見るかのような視線を感じたけど、それならエレーナさんは強いスキルを転生時に望もうとか考えなかったのかな。
ドラゴンを5体倒したので、捌いていこうと思ったけど流石に3人じゃ無理そうだ。ウルフの時はサイズがそこまで大きくなかったから腹を開いて内臓を取り出すところまではできたんだけど、ドラゴンのサイズだとそれも難しいし、丸ごと持って帰ろう。そのためにアイテムバッグを買ったんだし。
……そしてとうとう、自分の剣がダメになった。具体的には結構大きく欠けた。転移してから、使い続けていた初期装備だけどそろそろ限界みたい。研いで使い続けるより、新しい剣に持ち帰るべきだろう。これまでお世話になりました。これは新しい剣を買ったら、フィルスちゃんに奉納して貰おうかな。神様に返すのが一番でしょ。
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