♪にーなちえのてつがくまめちしき〜ニーチェ編

新名智愛「始まりました〜。にーなちえのてつがくまめちしきのコーナー!」

相田翼「(なんか急に始まったぞ……?)」

新名「相田さん!」

相田「は、はい?」

新名「本編だと哲学のこと語り足りないじゃないですか?」

相田「いやだいぶ語ってたと思──」

新名「足りないですよね!!!」

相田「もちろんであります!」

新名「だから私が作者さんに頼んで、枠を作ってもらったんです!」

相田「(なんでそんなメタ的な能力持ってるの???)」

新名「ということで時間もないのでさっそくいきましょう!」

相田「お、おーー」


※※※


新名「今回お話したいのは、ニーチェの『God ist tot』です」 

相田「ごっどいすととっと……?」

新名「『神は死んだ』という意味ですね」

相田「(最初から日本語で言ってくれ)」

新名「相田さんは、どうして人は神を信じると思いますか?」

相田「んっ……と、なんだろ。天国に行くため、とか」

新名「その通りです!!!」

相田「あ、そうなんだ。(急にでかい声出されるとびっくりするからやめて欲しい)」

新名「けれどニーチェはそれを問題視します」

相田「なんで?」

新名「死後の世界を想定するならば、私たちの生きる現実世界の価値は貶められてしまう。そうニーチェは考えたんです」

相田「ええっと……あんまり(というかさっぱり)わからないかも」

新名「つまり『死後に救われるため』という目的により、現実の苦しみが正当化されることを問題視したんです」

相田「あー、なるほど? 神様が本当に助けてくれるかなんてわからないのに、人生で我慢させられるのがよくないってことかな」

新名「はい。ただしニーチェは、宗教のすべてを否定していないことには注意が必要です」

相田「そうなの?」

新名「ニーチェの言葉を引用しますね」


 ──! これが人間の生のこれまでの唯一の意味だった。まるで意味がないことと比較すると、どんな意味でもあるだけまだましだったのだ。(『道徳の系譜学』Ⅲ28)


相田「(……やばい、脳が理解を拒否してる)えぇっと、禁欲がなんだって?」

新名「ニーチェによると、人間は自分の存在のに苦悩していたそうなんです」

相田「はぁ」

新名「自分はなんのために存在するのか、その苦悩に『罪』という意味を与えたのが、禁欲的な理想だったんです」

相田「んっと……ドユコト?」

新名「ニーチェの理想は、神を想定せずとも自らの生を後退できる人間、『超人』です。けれど多くの人間はその域に到達することはできない。そんな中、たとえかりそめでも、彼らが生きることの『意味』を与えた思想に、ニーチェは一定の評価を与えるんです」

相田「なるほどね。(……新名さんはやっぱり『超人』をめざしてるのかな)」

「というわけでまた次回お会いしましょう。お相手は新名智愛と」

「あ、相田翼でした(ラジオかな?)」


参考文献 

・ニーチェ著,中山元訳,2009「道徳の系譜学」光文社

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