第6話 氷のおしゃべり


本日は日中とても暑くて


わたくし

冷蔵庫から取り出した氷を

グラスに入れましたら


あの爽やかな

カランカランという音が!



さらにドリンクを注ぎますと

さらにさらに

えも言われぬ涼やかな音が

なり響きます



まるで

涼しい風が吹き抜けたかのよう



わたくしは目をつむり

グラスを揺らしながら

氷のおしゃべりに

耳を傾けます




☆☆☆☆☆☆☆☆




夏の盛り

太陽が高く昇り

森の中も暑さで満ちていました



木々の葉は緑色に輝き

小さな小川は

キラキラと光を反射しています



この森の

大きな木の根元には

隠された洞がありました



洞の中には

澄んだ氷が張っている

古いガラスの瓶が置かれています



夏になると

溶けて小さくなった氷が

揺れて奏でる

涼やかな音色を楽しみに

森の妖精たちが集まってきます




音に耳を澄ませる妖精たちは

それぞれの音が持つ

微妙な違いを楽しんでいました



「この音は川のせせらぎに似てる」


「この音は風が木々を揺らす音に似てるよ」



音色に合わせて妖精たちが踊ると

爽やかな風が巻き起こります



森全体が涼しい風に包まれて

森の動物たちも

涼をとりに

集まってくるのでした




☆☆☆☆☆☆☆☆




わたくしは

グラスと氷が奏でる

おしゃべりを楽しみながら

ドリンクを飲むのでございます

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