第4話 青いさくらんぼ
わたくし先日
真っ赤なワンピースを着て
お出かけいたしましたら
仕事でお疲れ気味の友人に
「うわあ、パワーもらえるー」
と言われて
笑ってしまいました
確かに赤い色からは
強いエネルギーや活力を
感じられます
その日
わたくしたちは
「元気パワー」
と笑いながら
カフェで
真っ赤に染まった
さくらんぼのスイーツを
いただきました
☆☆☆☆☆☆☆☆
広い果樹園の中に
たくさんの
さくらんぼの木がありました
赤いさくらんぼたちは
太陽の光をいっぱいに浴びて
元気いっぱいに
輝いていました
けれども
ある一つのさくらんぼだけは
なぜだか青いまま
周りの葉と同じ色ですから
葉っぱにまぎれてしまって
だれも気がついてくれません
いつも一人ぼっちで
他のさくらんぼたちと遊ぶこともなく
寂しそうにしていました
ある日
元気いっぱいの
赤いさくらんぼが
木の上をお散歩している時
木の葉にかくれた
青いさくらんぼを見つけました
「やあ、君の色はステキだね」
青いさくらんぼは
びっくりして思わず
「え? この色変じゃない?」
と言いました
「知ってる?
緑色はね
目に優しくって
僕たちをリラックスさせてくれるんだよ
だから僕も君を見てたら
すっごく安らぐんだ」
それを聞いた青いさくらんぼは
うれしくなって
ほんの少しだけ
ほっぺたが赤くなりました
「一緒に遊ぼう」
ふたりが木の上を
駆け回っていますと
太陽の光を浴びて
体がだんだん暖かくなり
体全体が
だんだん赤く染まっていきました
そうしてふたりは
果樹園の中で一番の仲良しになり
今日もふたりで手をつないで
木にぶら下がっているのです
☆☆☆☆☆☆☆☆
今いただいている
このパンナコッタの上に
乗っている赤いさくらんぼは
あの
仲良しふたり組なのです
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