第3話 鍵の音


わたくしは

帰り道を

とぼとぼ歩いております



もう真っ暗



そんな暗闇に

キラキラ光る目をした

黒猫を発見!



猫と夜の組み合わせは

わたくしに

魔法の世界を思い出させます



物語の魔法の世界には

夢があふれています



わたくしの夢も

どんどん

あふれてだしてしまうのです




☆☆☆☆☆☆☆☆




夜の森の中

月明かりが葉っぱを照らし

神秘的な光景を作り出しています



魔女はきっとこんな夜に

古い書物を手に

森の奥深くを探索していたりするのです



その魔女はいつも

心の中の何かが

欠けているような感覚を覚えていました



その心の穴に

スキマ風が吹き

魔女は寂しさを感じていたのです




森からは

遠くの町の明かりが見えます



その明かりの下では

人々の楽しそうな笑い声が

響いていることでしょう



しかし魔女はその中に

自分の居場所がないように感じていました



かさかさ


突然

魔女の足元に小さな影が現れました



一匹の黒猫です



黒猫は月明かりの下で

神秘的な輝きを

放っているように見えました



魔女と黒猫の目が合った瞬間


カチャッ


という音が響きました



魔女の欠けている心の穴に

ぴったりはまる鍵が差し込まれて

扉が開いたのです



黒猫が静かに

鳴き声を上げました



その鳴き声は

言葉ではございませんでしたが

魔女はその意味を理解しました



黒猫は

尾をふりふりと振りながら

魔女の足元にすり寄ってきます



魔女は黒猫をそおっと抱きあげて

そのつややかな毛をなでました



扉が開いた魔女の心からは

次々に

新しい魔法が生み出されていきます




この世界のどこかには

あなたの心の鍵穴にぴったりはまる

キラキラ輝く鍵が

隠れているのです

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