木っ葉ヤクザの守下茂と、人を食べる人外の生き物クチナシが、山で死体を埋めようとしたことをきっかけに出会い、二十年間バディのように過ごした後に死別するまでのブロマンスの物語。
人外と人間の間に築かれていく、友情でもありそれだけでもないような強い絆がたまりません。ほんのり歪で、けれどしっかりと温かい異種間の関係性が、服や食べ物、結婚の概念などなど、節々にまで伺えます。そうして積み重ねた時間の上で、小説冒頭シーンに至る茂の思いが素敵です。
恐ろしくも色気のある食肉場面と、ぞわっとしつつも小気味良さのある終わり方を、ぜひぜひ読んでください!