関西奪還作戦③
「クソったれが!」
誠也はデュラハンの剣撃を必死に躱していた。
(チクショウ……あの長剣……斬れ味が凄すぎるから斧で防ぐことも受け流すこともできない。このままじゃあ、死ぬ!)
攻撃を回避しながら考える。デュラハンに勝つ方法を。
「本当は…あの日のために準備してたものだけど仕方ない」
誠也は無数の剣を影から出現させる。
その全ての剣はモンスターの大群を倒すために作った誠也の武器。
どれも強力なモンスターの素材で作った一級品。
本来は決戦の日に使う奥の手ではあったがこのままでは死ぬと理解した誠也は、使うことにしたのだ。
「〈念動力〉」
スキル【念動師】で無数の剣を浮遊させ、デュラハンに向かって飛ばした。
飛んでくる剣たちをデュラハンは長剣で次々と切り裂く。
その隙に誠也は影から白い斧を取り出し、その斧でデュラハンの背中を斬る!
「まだまだ!」
二つの斧を振り回し、誠也は怒涛の連撃を放つ。
彼の連撃はデュラハンに全て直撃。
デュラハンは片膝を地面に付ける。
「トドメ!」
〈念動力〉で浮遊させている無数の剣を、デュラハンに全て突き刺す。
黒い液体を流しながら、デュラハンは「グオオォォォォォォォォ!」と声を上げる。
「やったか?」
誠也がそう言った時、デュラハンは立ち上がり、長剣を構えた。
そして剣を振り下ろし、巨大な黒い斬撃を飛ばす。
迫りくる斬撃を誠也は紙一重で躱す。
躱した直後、デュラハンは誠也の懐に入り、剣を横に振るう。
黒い長剣が誠也の首を斬り飛ばそうとする。
「こんなところで……死ねないんだよ首なし騎士が!」
誠也はスキル【狂戦士】の〈狂化〉を発動。
彼の身体から赤黒い炎が発生する。
「オラ!」
肉体を強化した誠也は強力な蹴りをデュラハンの腹に叩き込み、吹き飛ばす。
「悪いけど死んでくれデュラハン。俺には……やらないといけないことがあるんでな!」
誠也はデュラハンに接近し、二つの斧を振り回す。
連続斧撃をデュラハンは躱す。
だが全て躱すことができず、左脚と右腕が斬り飛ばされる。
「終わりだ」
誠也は斧を振り下ろし、デュラハンを両断した。
黒い液体が飛び散り、誠也の鎧が黒く染まる。
「終わった……」
誠也は地面に倒れ、ハァーとため息を吐く。
すでに精神的にも体力的にも彼は疲労していた。
「デュラハン強すぎるだろ……」
兜を外した誠也は自分の影から水が入ったペットボトルを取り出す。
そして一気に水を飲み、プハァーと息を吐いた。
「これで依頼は完了かな?」
その後、関西奪還作戦は成功。
そして誠也は……ハンターの間で『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます