十年後

 過去に戻って十年後。

 十五歳になった誠也は今、中学校に向かって歩いていた。


(あれから十年。昔と比べて強くなった)


 歩道を歩きながら、誠也は自分のステータスを表示する。


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 ステータス

 名前:創造誠也

 年齢:15歳

 種族:人間

 LV:50

 スキル:【鍛冶師】〈鍛冶〉武具や防具の製作、修理、強化が可能。製作能力が上昇。

     【鑑定士】〈鑑定〉あらゆるものを細かく知ることができる。

     【回復術士】〈回復ヒール〉傷を治すことができる。

     【薬剤師】〈薬草知識〉全ての薬草を記憶することができる。〈薬剤製作ポーションせいさく〉特殊な効果を持つ薬を調合が可能。

     【錬金術師】〈金属錬成〉特殊な金属を生み出すことができる。〈宝石錬成〉特殊な宝石を生み出すことができる。〈素材強化〉あらゆる素材の性能を強化することが可能。〈素材合成〉素材と素材を合成し、新たな素材を生み出すことが可能。

     【細工師】〈装身具製作〉特殊な効果を持つ装身具の製作が可能。製作能力が上昇。

     【裁縫師】〈衣服製作〉特殊な効果を持つ衣服の製作、修理、強化が可能。製作能力が上昇。

     【盾術士】〈盾術〉盾の扱いが上手くなる。盾を装備すると身体能力、肉体強度、体力が上昇。〈盾強化シールドアップ〉装備している盾を強化することができる。

     【守護者】〈守護〉何かを守りたい、何かを助けたいと思った時、身体能力、肉体強度、体力が上昇。〈絶対障壁〉一日一度だけどんな攻撃も防ぐことができる。〈絶対反射〉一日一度だけどんな攻撃も倍にして反射することができる。

     【狂戦士】〈戦闘本能〉。強敵と戦う時、もしくは不利な状況で戦う時、身体能力、肉体強度、体力、技量が上昇。命の危険を感じた時、さらに身体能力、肉体強度、体力、技量が上昇。〈狂化バーサーカー〉一定時間、身体能力、肉体強度、体力を大幅に強化することができる。ただし使用後は身体能力、肉体強度、体力が一時的に減少する。〈必殺の一撃〉体力を消費することで強力な一撃を放つことができる。

     【斧術師】〈斧術〉斧の扱いが上手くなる。斧を装備すると身体能力、肉体強度、体力が上昇。〈斧強化アックスアップ〉装備している斧を強化することができる。

     【暗殺者】〈無音〉足音や呼吸音などあらゆる音を消したりすることができる。〈透明化〉一分間、姿を消すことができる。〈暗視〉暗いところでもよく見えることができる。〈超加速〉素早さを大幅に強化することができる。

     【幻術士】〈幻術〉幻覚の魔法を使うことが可能。〈幻術耐性〉幻覚に対する抵抗力が上昇。

     【猛毒術士】〈猛毒魔法〉猛毒の魔法を使うことが可能。〈毒無効〉あらゆる毒を無効化する。

     【呪術士】〈呪術〉呪いの魔法を使うことが可能。〈呪術耐性〉呪いに対する抵抗力が上昇。

     【念動師】〈念動力〉物体を動かすことが可能。

     【影術師】〈影魔法〉影の魔法を使うことが可能。〈影移動〉影の中に潜み、移動することができる。〈影収納〉自分の影の中に物を収納することができる。〈影の祝福〉暗い場所にいた場合、【影術師の性能が上昇。

     【魔術師】〈魔術の極み〉全ての魔法系スキルの性能が大幅に上昇。

     【武装師】〈武装使い〉あらゆる武具の扱いが上手くなる。装備している武具、武具の性能が上昇。〈武装超強化〉一定時間、装備している武具と防具の性能を大幅に上昇。〈武装破壊〉相手の装備を破壊する。

     【探索者】〈迷宮地図化ダンジョンマッピング〉ダンジョンの地図を製作することが可能。〈隠蔽看破〉ダンジョンに隠れた通路や部屋を見破ることができる。

     【黒騎士】〈騎士道〉一対一の戦闘時、身体能力、肉体強度、体力、技量が大幅に上昇。〈魔気ダークオーラ〉武具に黒いオーラを纏わせ、攻撃力を強化することが可能。〈闇魔法〉闇の魔法を使うことが可能。

     【弓術士】〈弓術〉弓の扱いが上手くなる。弓を装備すると命中率、技量が上昇。〈弓強化〉装備している弓を強化することができる。

     【狙撃者】〈狙撃〉遠距離攻撃を行う時、命中率と攻撃力が上昇。

     【魔物殺し】〈魔物殺しモンスターキラー〉モンスターと戦う時、身体能力、肉体強度、体力、技量が大幅に上昇。〈魔物探知〉遠く離れたところにいても、モンスターを探知することが可能。


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(この十年でLVはMAXにしたし、スキルも多く集めた。そしてタイムリープ前の自分よりも強力な装備を作れるようになった。あとは……)


 誠也がこれからのことを考えてた時、


「誠くん」


 後ろから少女の声が聞こえた。

 振り返ると、黒い制服を着た赤髪のエルフ少女がそこにいた。


「聖ちゃん」

「おはよう。誠くん」


 明るい笑顔で挨拶してくる少女—――焔聖火。

 そんな彼女を見て、誠也は微笑む。


「おはよう」

「一緒に学校に行こう」

「いいのか?俺みたいな陰キャラといて」


 誠也がそう言うと、彼の頬を聖火は引っ張った。


「誠くん。そんなこと言わないでっていつも言ってるでしょ?」

「痛いから離してくれ」

「私は誠くんと一緒に学校に行きたいの」


 誠也の頬から手を離し、聖火はムーと頬を膨らます。


「悪かった悪かった。もう言わないよ」

「約束だよ?」

「ああ。約束約束」

「ならよし」


 それから誠也と聖火の二人は歩きながら話をした。


「そういえばおじさんとおばさんから聞いたよ?鍛冶師の資格を取ったんだって?」

「まぁ……両親の仕事を手伝いたかったからな」


 鍛冶師はスキル【鍛冶師】を持っているからと言ってなれるものではない。

 必ず試験を受けて、合格しなければならない。

 そして誠也は三日前に試験を受けて、合格した。


「すごいよ!十五歳で鍛冶師になった人ってあまりいないんでしょ?」

「まぁ……両親のおかげだよ。それにすごいのは聖ちゃんも同じだろ。なにせ守護騎士の学校に行くんだから」


 守護騎士。それはモンスターから人々を守る軍人のようなもの。

 実力が高い者しかなることができず、誰でもなれるようなものではない。

 

「聖ちゃん。中学校卒業したら守護騎士の学校に行くんだろ?」

「うん。夢のためにね」

「夢って……なんなの?」

「ごめん。話せないんだ」

「だよな」


 タイムリープする前の世界でも聖火は、夢のために守護騎士を目指していた。

 聖火の夢がなんなのか、誠也には分からない。

 だが彼は、聖火が夢を叶えられるようにしたいと思っていた。


「聖ちゃん……お前がどんな夢を叶えたいのか俺には分からないけど、応援してるから」

「うん。ありがとう」

「あと恋の応援も」

「うん。ありが……ちょっと待って。なんて言ったい今!?」


 誠也は「あ、やっべ」と口を手で塞いだが、もう遅かった。


「もしかして……私が好きな人いるって知ってるの!?」


「うん……まぁ」


 タイムリープ前もそうだったが、誠也は偶然……聖火の友達がしていた話を聞いて知ったのだ。聖火に好きな人がいるのを。

 別に誠也は幼馴染に好きな人がいるからと言って、どうというわけではない。

 嫉妬もしないし、不愉快な気持ちも抱かない。

 ただ誠也は、


「聖ちゃん……好きな人とうまくいくといいね」


 幼馴染が幸せになるのを願った。


「ム~!」


 聖火は顔を真っ赤に染めて、頬を膨らます。

 そして彼女は誠也の頭をポカポカと殴り始めた。


「ちょ、なになに!?」

「ム~!ム~!」

「ごめんごめん!何が悪かったのか分からないけど、ごめんって!」

「本当に悪いと思ってる?」

「本当に悪かったって」

「なら明日、私に付き合って」

「え!?明日?明日じゃなくて、明後日じゃダメ?」

「明日!絶対に明日!」

「わ、分かった」


 誠也はハァとため息を吐く。


(本当は明日……アレをしたかったんだが……仕方ない。また今度にするか)

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