ボスモンスター
誠也が過去に戻って一年後。
六歳になった彼は自分のステータスを見て、顔をしかめていた。
「ダメだな……こりゃあ」
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ステータス
名前:創造誠也
年齢:6歳
種族:人間
LV:33
スキル:【鍛冶師】〈鍛冶〉武具や防具の製作、修理、強化が可能。製作能力が上昇。
【鑑定士】〈鑑定〉あらゆるものを細かく知ることができる。
【回復術士】〈
【薬剤師】〈薬草知識〉全ての薬草を記憶することができる。〈
【錬金術師】〈金属錬成〉特殊な金属を生み出すことができる。〈宝石錬成〉特殊な宝石を生み出すことができる。〈素材強化〉あらゆる素材の性能を強化することが可能。〈素材合成〉素材と素材を合成し、新たな素材を生み出すことが可能。
【細工師】〈装身具製作〉特殊な効果を持つ装身具の製作が可能。製作能力が上昇。
【裁縫師】〈衣服製作〉特殊な効果を持つ衣服の製作、修理、強化が可能。製作能力が上昇。
【盾術士】〈盾術〉盾の扱いが上手くなる。盾を装備すると身体能力、肉体強度、体力が上昇。〈
【守護者】〈守護〉何かを守りたい、何かを助けたいと思った時、身体能力、肉体強度、体力が上昇。〈絶対障壁〉一日一度だけどんな攻撃も防ぐことができる。〈絶対反射〉一日一度だけどんな攻撃も倍にして反射することができる。
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「一年間…頑張ってみたけど欲しいスキルが手に入らなかったな」
深いため息を吐いて、肩を落とす誠也。
彼は一年間で六回のダンジョンに挑戦し、挑戦し、多くのスキルブックを手に入れた。
だが欲しい戦闘系スキルや魔法系スキルは手に入れることはできなかった。
誠也が手に入れた戦闘系スキルは【盾術士】と【守護者】の防御特化の二つ。
「どれも役に立つスキルだけど、攻撃面では弱い。……一つでもいいから攻撃に特化したスキルがあれば戦いが楽になるんだが……やめよ、愚痴っても仕方ない。ダンジョンにまた行ってアイテムを手に入れよう」
そう言って誠也はダンジョンに行く準備をして、家を出た。
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森にやってきた誠也はウエストバックから魔石が大量に入っている瓶を取り出す。
「ダンジョンよ……ここにいでよ」
誠也がそう言うと、瓶の中に入っていた全ての魔石が砕け散り、地面に下に続く階段が出現した。
「今回は地下型ダンジョンか。初めてだな」
ダンジョンには色々な種類がある。
塔のようなダンジョン、城のようなダンジョンなど。
「まぁどんなダンジョンでも攻略するだけだ。それに……装備を新しくしたから大丈夫だろう」
今、誠也が装備しているのは赤い革の鎧と兜、そして鋼鉄でできた盾と黒い短剣。そして首には赤い宝石が埋め込まれたネックレスをぶら下げており、鎧の上にはねずみ色の外套を羽織っていた。
(リザードマンの皮で作った鎧にミノタウロスの角で作った短剣。【錬金術士】の力で生み出した金属で作った盾。そして筋力を上昇させるネックレスに素早さを上昇させる外套……今の俺が用意できる最高の装備)
ダンジョンのモンスターの素材とスキルの力で作り出した武具と防具、そしてアイテム。
それらすべての装備した誠也は、ダンジョンにもぐる。
階段を降りて五分後。
「ここは……」
階段の先にあったのは、薄暗く……そしてとても広い部屋だった。
とても埃っぽく、幾つもの大きな本棚が置かれていた。
そして部屋の中心には、黒いローブを羽織った骸骨が立っている。
その骸骨の左手には木の杖が握られていた。
「リッチか……」
盾と短剣を構えて、誠也は目を細める。
「〈鑑定〉」
誠也はスキル【鑑定士】を発動させた。
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ステータス
名前:リッチ
年齢:不明
種族:アンデット
LV:43
スキル:【火炎術士】〈火炎魔法〉炎の魔法を使用することが可能。〈火炎耐性〉炎に対する抵抗力が上昇。
【闇術士】〈闇魔法〉闇の魔法を使用することが可能。〈闇耐性〉闇に対する抵抗力が上昇。
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「LVは43……スキルは魔法系が二つ。……面倒だな」
誠也はチッと舌打ちする。
「まぁ……やるしかないよな」
彼は脚に力を入れ、
「勝負だ!!骸骨野郎!」
駆け出した。
弾丸の如き速さで突撃してくる誠也に、リッチは杖を構える。
「させるか!」
誠也は短剣を投擲する。
短剣は杖に直撃。
そして杖はビキリと音を立てて、折れた。
「よし、杖は潰した!」
杖は魔法系スキルの性能を上げる武具。
杖さえ壊せば、リッチの力は半減する。
「まだ終わりじゃないぞ!」
誠也はリッチの左脚を盾で殴った。
打撃を受けたリッチはバランスを崩し、地面に倒れる。
チャンスと思った誠也は地面に落ちていた短剣を拾い、リッチの頭に突き刺そうとした。
その時、誠也の足元に黒く輝く円形の紋様—――魔法陣が出現した。
「しまった!」
誠也が気が付いた時には遅く、魔法陣から無数の黒い槍が伸びた。
いくつもの黒い槍は誠也の身体に突き刺さる。
「があっ!?」
顔を歪め、血を流す誠也。
そんな彼にリッチは右手の掌を向ける。
リッチの掌から赤い魔法陣が現れた直後、魔法陣から炎が放射された。
迫りくる炎を誠也は盾で防ぐ。
しかし炎の威力が強すぎるあまり、誠也の身体は吹き飛び、本棚に激突する。
「……いってぇ~…このクソ野郎が」
鋭い目つきで誠也はリッチを睨む。
「〈
誠也はスキル【回復術士】を発動。
緑色の光が誠也の身体を包み込むと、傷口が塞がっていく。
(だめだ……このままじゃあ、確実に死ぬ。なら)
誠也は腰に装備していたウエストバックから、赤い液体が入った小さな瓶と青い液体が入った小さな瓶を取り出す。
(俺が作った筋力強化ポーションと素早さ強化ポーション。この二つで奴を潰す!)
誠也は口で二つの瓶の蓋をとり、ポーションを飲んだ。
「さぁ……第二ラウンドだ!」
二つのポーションを飲んだ誠也は走り出した。
近づいてくる敵を排除するためにリッチは赤い魔法陣を構築し、炎の球を幾つも放った。
「〈絶対障壁!〉」
誠也はスキル【守護者】を発動。
彼を中心に半球型のバリアが発生し、炎の球を防ぐ。
攻撃を防がれたリッチは、距離を取ろうとする。
だがそれよりも速く誠也は短剣でリッチの右腕を斬り飛ばす。
片腕を失ったリッチは残った左手を誠也に向け、黒い魔法陣を構築した。
次の瞬間、黒い魔法陣から黒い光線が放たれた。
光線が誠也を呑み込もうとした時、
「〈絶対反射〉!」
彼はスキル【守護者】を発動し、六角形のバリアを発生させた。
黒い光線はバリアによって反射し、リッチに直撃。
光線を受けたリッチの身体は皹だらけになった。
「いくら〈闇耐性〉があっても倍にして返された攻撃は効くよな!」
誠也はリッチの懐に入り込み、短剣を振るった。
鋭い斬撃はリッチの左腕を切断する。
両腕を失った骸骨モンスター。
目の前のモンスターを排除するために、誠也は最後の一撃を放つ。
「死ね」
誠也は跳躍し、短剣をリッチの頭に突き刺した。
そして左腕に装備した盾で短剣の柄頭を殴る。
強い衝撃を受けた短剣はリッチの頭に深く突き刺さる。
リッチは口をカタカタと動かした後、灰となって消えた。
「これで……終わりか?」
誠也がそう言った時、木の箱がなにもないところから出現した。
ダンジョンを無事攻略したのを理解した誠也は肩の力を抜く。
「なんとか攻略できたな。……さて今日の報酬は何かな」
誠也は木の箱を開け、中身を確認する。
何か入っていたのは、二冊のスキルブック。
「スキルブックか……どんななのか見てみるか。〈鑑定〉」
彼はスキルを発動し、スキルブック二冊を調べる。
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スキル【狂戦士】〈戦闘本能〉。強敵と戦う時、もしくは不利な状況で戦う時、身体能力、肉体強度、体力、技量が上昇。命の危険を感じた時、さらに身体能力、肉体強度、体力、技量が上昇。〈
スキル【斧術師】〈斧術〉斧の扱いが上手くなる。斧を装備すると身体能力、肉体強度、体力が上昇。〈
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「……やった。ついに……ついに!攻撃系の戦闘スキルが手に入った!よっしゃああああああああああ!」
念願のスキルを手に入れた誠也は、何度もジャンプした。
「さっそく習得しよう」
誠也は二冊のスキルブックを読み、二つのスキルを吸収した。
「さ~て、帰ったら斧を作らないとな。とびっきり強い斧を」
上機嫌な様子で誠也はダンジョンから出て、駆け足で家に向かった。
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