第166話 神化
□ 水崎詩織
モンスターだからってみんな情け容赦なく殺してリポップしちゃうけど、その度に心が疼く。
この感覚は私が
前世の奥さんだったと聞いて、そのせいかもしれないと思ったけど、レファには全くそんな気配がない。
異世界で普通の人間になった
でも、こっちの世界に帰って来て、
結局、先生の地球での奥さんが登場し、ロゼリアさんも
あれだけ優しくて強くて面白ければ当然だと思う。でも、取り合いなら負けたくない。
そう思ったのは一瞬で、どうやら問題があるみたい。
迷宮神が持っていたダンジョンの本当の管理権限を姫乃ちゃんから取り除かないといけない。
あんなに良い子が危害を加えられるなんて耐えられないから、取り除くのは当然と言った雪乃さんの発言には同意できる。
でも、その管理者権限を
雪乃さんの解析の結果、雪乃さんとロゼリアさんと私は管理者権限の一部を持ってあげられるらしい。
そうすれば
そんなの、拒否する理由がない。
「詩織、お前はダメだ。ちゃんと人間として生きろ」
なんて言ってきたけど、お断りします。
私だって
余った日はみんなで一緒にとかでもいい。
「いえ。私も一つ持ちます。だから私も週2でお願いします」
私がそう答えるのは当然よね。
雪乃さんとロゼリアさんは特別な感情は籠っていない表情でこちらを見ている。仲良くできるかな?
ちょっとドキドキするわね。
「おい!」
「私だって一緒にいたいし、役に立てるんだから、諦めて認めてください」
「ふふ。モテモテじゃない」
「むぅ……」
「きっと皇一さんなら『地球では無理だからってダンジョンの中でハーレムを作るなんてやるな!』って言うと思うわよ?」
「そして早紀さんにぶっ飛ばされるんだな」
「ふふ。でも、良かったわね。これで歩くくらいできるわよきっと」
「えっ、3つ持ってもらってそんなレベルなの?」
「やってみないとわからないけどね」
さすがこの世界での元夫婦……しっかり理解しあっているわね。距離が近くて羨ましい。
私も……前世の記憶さんに帰ってきてほしい。
「でも、ちょうどいいわね。月木が雪乃、火金が詩織さん、水土が私ね」
「わかったわ」
「はい」
「わかるな! あと詩織も同意するな!」
週2もらえるなら順番はどうでもいい。
「あとの1日は、じゃんけんとか?」
「休みだよ休み! 一人にしてくれ!」
「みんな一緒で良いのではないかと思いますが、どうですか?」
「詩織さん、大胆ね……お姉さんびっくりよ?」
「でもありですね。私たちも仲良くやりましょう」
「話を聞け!」
「子供とかできるものでしょうか? ダンジョンの中で」
「私はモンスターだし、ないと思うけど」
「そもそも俺はリッチだから何もない!」
「あっ、言ってなかったわね」
「えっ?」
雪乃さんが思い出したように私たちを見渡す。
「管理者権限を入れると神様化するからね。おめでとう。これで白き神の一員よ」
「はっ?」
「姫乃に入れておくのはお母さんとして心配だから、さっさとやるわね」
雪乃さんがそう言うと、姫乃さんから光球が浮かび上がった。
「これが管理者権限ね。では、それぞれに入れるから」
その球体は5つに分かれる。
それぞれの機能と言うやつなんだろう。
それが雪乃さんとロゼリアさんと私に1つずつ。
「ん!?」
私は覚悟する。神様になっちゃうってことは"封印された思念”様以上に体を書き換えるはず。
つまりあの激マズを超える衝撃が襲ってくるはずだから、気持ちを構えた。
「どうした?」
「あれ? 何か痛かった?」
けど、特に何もなかった。
雪乃さんもロゼリアさんも平然としている。私も特に何も変わったところはない。唯一……
「うぅ……」
「なにしてるのよ。特に何もないでしょ? 下手な演技はやめなさい」
「ふごぉ……」
雪乃さんが腹パンを
「あれ?」
「雪乃さん。彼は本気で苦しんでいる気がしますが……」
「2つ入れたから?」
「そんなことはないと思うんだけど」
しかし
どこからか現れた光が
「うぅぅぅうううぅぅうううう」
「うぉぉおおぉぉおぉおおおおおお!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます