【本編完結】リッチ様の探索者育成譚～2回の異世界転生で地球に戻ったのにダンジョンのフロアボスになっていた最強の俺は、配信しながら超可愛い探索者たちを育てて世界崩壊を防いでやるぜ！

第159話 女神たち

「餌！？！？」

「誰が餌よ！」

現れたのは姫乃……と瓜二つの女性。ただ、まとう空気は古の……

「ん？」

「うごぉぉ……」

防御魔法を全て貫通するすさまじい威力のボディブローを喰らった。

：うわ～～～～～

：リッチ君さぁ……

：特に何も言ってなかった気がするけど、なにか失礼なことでも呟いたのかな？

：目線だけだったような？

：表情が気に入らなかったとか？

：阿吽の呼吸……

：阿吽の呼吸で殴られるってなんなんwwwwww

「失礼ね」

「なにもいってないぞ……雪乃」

ちょっと"いにしえ"とか思っただけだし、どう考えてもとんでもない威力で殴る方が失礼じゃないだろうか？

：奥さんきちゃ～～～～～！！！！！！！！！！！

：なるほど。あれが……

：姫乃さんとよく似てる……ちょっとちっちゃいけど……うっ……

：これ感動の再開シーンってこと？

：リッチ悶絶しててざまぁ！　……うっ……

：あれ？　恭一じゃん

：恭一さぁ、さすがにそれは

：通報しました

：www

：『うっ……』ってなってるのなんなん？

「くっくっく。餌がどんどん増えるねぇ～。最高だよ。こんなにたくさん。もう一体来たね……」

「気付かれたか」

普通に会話してるけど、デバウラーの真横に突然出現したゲシャがデバウラーを殴り飛ばした。

「ゲシャまで。協力してくれるのか？」

「うむ。貴様ははじまりの戦士じゃな。世話になったのだ。当然協力するつもりだが、良いかな？」

「……あぁ、助かる」

オアは全く変わらないのに、ゲシャはずいぶんと大人びたな。いや、デバウラーが取り憑いて変になってただけで、これが素なのかな。

だとしたら真摯な感じのゲシャに昔っから問答無用で殴りかかってたオアって一体……。

「あっ、失礼なことを考えている目をしてるわね」

「そう思うの。まったく……」

何が全くなんだよ。やれやれみたいな顔してんじゃねぇよ。俺は説明したら聞いた相手全員が納得すると思うようなことしか考えてないぞ？

「しかし、"守"様か？」

「えっ？　あぁ、そうね。何度も転生してるから"守"という神だった頃の記憶は薄いけど、そうね」

「ご挨拶を。白き神の一柱であるオアです」

『もしもし』

「偉い神様だったのか。俺はゲシャ。白き神の一族ではないが、オアとは仲良くしていて、そこのリッチにもかつて救われたものだ」

「そうなのね。私は元"守"よ。でも、この世界では人間として誕生していて、そこのリッチの前々世……になるのかな？」

「あぁ」

「その彼の妻ね。今ではたくさん女侍らしてるみたいだからあとでぶっ飛ばすとしてね」

「えっ……」

もうすでにぶん殴られたけど、それはノーカンなんだろうか？

そして目の前のオアにも襲われたけど、それは言わない方がいいのだろうか？

「えっと、オアさん？」

『もしも～し』

「あぁぁああぁぁぁぁあああ。内緒！　内緒って言ったのに！？」

それはバラしてるのと一緒だぞオア。

：さっきリッチ君が襲われたって言ってたし、雪乃さん……でいいのかな？　神様？

：まぁ、ぜんぶリッチ君が引き受けるでしょ

：どうせリポップするから1万回くらいやられても大丈夫では？

：wwwww

：女の敵だし当然の報いだよね

：言いたい放題で草

『あれ？　聞こえてないかな？　ヴェルト。間野塔弥。聞こえるか？』

「えっと、説明神様だよな？　どうしたんだ？」

「あなたいったい何柱の神と知り合ってるのよ？」

『これは"守"様。私はエラヌス。白き神の末席のあたりのものです。転生していく魂をすくい上げ、そのものに役目と力を与え、説明する仕事をしております」

「ほうほう」

フクロウか……うっ……。

相変わらずこいつは手癖が悪いな。そして今までで一番頭の中を読む性能が高いんだろうから、可能な限り思考にプロテクトだ。

「わかった」

なにがわかったんだ？

相変わらず可愛い顔して、可愛らしいお子様みたいな身長のくせして暴虐的な娘だよな。まったく。俺しか貰い手がないぞってよく言ってたころから変わってないよな。まぁ、"守"だということであれば、想う相手だったはずの"長"との関係は気になるし、もしかして俺が間男状態な気がして、考えるだけで震えてくるけど。

デバウラーは迷宮神は喰らいつくしたとか言ってるけど、本当なんだろうか？

まぁ、今を切り抜ける方が先だしな。

暴虐女神1号機と2号機が揃った感じだからもしかしたら行けるかもしれないな。

って、あれ？　なんで睨まれてる？　思考は読まれていないはずなのに。

「一回死んで来い」

「はぁっ？」