第17話 事件発生!

「■▲△□◆※彡▽☆◇???」

「え?」


目の前には可愛らしい女の子。

周囲はドロドロとしたマグマが流れる世界の終焉かと思えるような恐ろしい景色。

試しにスマホで自分を写したみたが、そこには凛々しいイケメンのリッチ……。

スマホから視線をあげるとそこにはやっぱり、可愛らしい女の子……。



!?



どういうこと?

どう見ても人間の女の子だけどダンジョンにいるには幼すぎないか?

しかもなんで俺はこんなところに……。


倉木君にレクチャーして詩織に倒された後、希望者を呼んで魔力の使い方に関する講義をやってたはず。


って、あれか。俺、召喚されてるな……。


とりあえず配信は回さずに……


:リッチ様どうしたんですか?

:すげぇマグマ……それどこですか?

:マグマが流れる中に佇むリッチ様。ステキ♡

:絵面が完全に世界の終わりなんだけどもwwwww


押し間違えた……。


「え~と、あなたは私のリッチですよね?」


はい?


:どういうことですかリッチ様!その子供は誰????

:ゆっ、誘拐か……それはさすがにまずいのでは?

:ダンジョンの中にそんな幼い子供を連れ込んではダメですわ!!!!

:いや、リッチ様は外には出れないでしょ?

:どういう状況?

塔ちゃん:俺にもよくわからんが、なんかこの子に召喚されたみたいなんだ。

:は?

詩織:は?突然返信がなくなったと思ったら、召喚ってどういうことですか?

塔ちゃん:召喚士の召喚スキルで"リッチの召喚"ってあると思うんだけど、それをこの子が使ったんだと思う。それで俺が呼ばれたんだろうな。

:リッチ様召喚とかなにその超絶スキルwwww

塔ちゃん:普通は普通のリッチが出るんだと思うぞ?

レファ:それでも何パーセントかの確率でリッチ様が出るなら恭一に覚えさせるか……

:恭一wwwww

塔ちゃん:これ、読めるか?

 

俺はこのコメント欄を女の子に見せる。


「え?どういうこと?」


:それはこっちのセリフなんよ

:お嬢ちゃんはどうしてダンジョンに?12歳超えてないよね?


「あっ、はい。私は湯野ゆのりんです。9歳です」


:はい????????????

塔ちゃん:だよなぁ、あきらかに。

詩織:犯罪ですか?


「えっ、犯罪?」


塔ちゃん:待て待て。まだ状況がわからん。

:詩織ちゃんせっかちしないで

詩織:あっ、すみません。ごめんね、凛ちゃん。

レファ:詩織減点ね

詩織:うぐぅ……。


「私、ここに入るように言われて入ったんだけど、周りはこんなのだしどうしようもなくて、それで召喚魔法を使ったの」

凛ちゃんは俺のスマホ画面を見ながらしっかり答えてくれる。


:9歳でしっかりしてるねぇ。

:お姉ちゃんが目の前にいたらよしよししてあげるわ♡

:誰に入るように言われたの?


「えぇと、黒いスーツの人」


:あや……

:やめなさい。凛ちゃんが怖がっちゃうわ。

詩織:その人は知ってる人?


「うん、お母さんがたまに話してる人」


塔ちゃん:どうしてその人はキミにダンジョンに入るように言ったのかわかるかな?

:リッチ様の口調が優しい……。


「わかんないの」


:かわいそうになぁ。よしよし。

:その人の言うことは聞かないとダメだったのかな?


「うん。聞かないとお母さんが困るから」


:そっか。頑張ったね。

レファ:それで、そこはどこかわかる?どのダンジョンで、何層(なんそう)なのか?

:コメントにふりがな振ってるレファちゃんさすがだ


「ここは阿蘇山のダンジョンの10層だよ」

凛ちゃんははっきりとそう答えた。


:まじかよ、9歳で10層到達してる????

:日本最年少記録じゃね?

:そもそも12歳未満は入っちゃダメだろ?


「えっ?ダメなの?」

凛ちゃんは急に慌て出す。


:9歳でも、もし許可を持っているならOKだけど……凛ちゃんは赤いカードを持ってるかな?

:名前と、年齢と、あとは『この者のダンジョン探索を許可する』って書いてあるカードなんだけど……。

詩織:これは私のカードなんだけど、年齢ごとに色が違ってて、あなたなら赤色だと思うの。


「持ってない……」


:見たこともない?もしかしたらお母さんとかが預かってるとか

:それでも入るときに確認がいるから不携帯はありえないはずじゃ?

塔ちゃん:配信きった方がいいかな?ヤバい匂いが……。

皇ちゃん:いや、つないどいて。

:会長乙

:会長ちぃ~っす

:逃げない会長が好きです!

塔ちゃん:わかった。とりあえず凛ちゃんに罪はないから、まずは10層ボス倒すか?

:あれ?阿蘇山の10層ってそういえば?


「わかった。10層のボスはリッチなんだけど、リッチさんはいいのかな?」

「〇◆?」


:は?

:え?

:が?

:いいから。ここで文字繋げなくても。

:阿蘇山の10層ボスってリッチなの?それ普通のリッチだったとしても強すぎね?

皇ちゃん:阿蘇山は全てのモンスターが弱めで、普通より浅い階層で出てくる特殊なダンジョンなんだよ。

:そんなのがあるのか。明治神宮の逆な感じ?さすが会長。

塔ちゃん:まぁいいや。とりあえず倒しに行くぞ。俺は全く問題ないしな。


「うん!」

ボスを倒すと言ったらなぜか嬉しそうな表情になった凛ちゃんと一緒にボス部屋を探し、発見した。



***

ここまでお読みいただきありがとうございます!

それではキャラ紹介の第五弾です!ついにヒロインの登場かもしれない……。


名前:湊早紀<召喚術師>

    リッチ:ね~よ!友人の奥さんじゃねーか!

    早紀:あら、塔弥君。危険な遊びね♡

    リッチ:せめて表情くらい変えろや!


外見:ザ・日本人形


役回り:元世界ランキング2位の超絶探索者の彼女はとぼけたふりをしておけば何をやっても許されるということを2歳の頃に学び、以降ずっとそんな感じ。彼女は流れて来た桃に扮したまま、拾い上げようとしたお婆さんの手を振り払ってそのまま下流に流れて行ってしまった。


星に願いを:読んでくれてありがとう。え~と……


作者 :『フォロー、星評価、コメント、応援、よろしくお願いします♡』

早紀 :フォロー、星評価、コメント、応援、よろしくお願いします♡

リッチ:なんでカンペなんだよ!?

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