夏休みだヤングマン

『あと1週間で子供たちの夏休みは終わりを迎え、そなたは解放されるであろう!』


 そんな予言を欲しがらずに済む程子供たちは大きくなり、日常と変わらない夏を過ごした。お弁当が2つ減るから楽なくらいだ。

 小さな頃は可愛く、仕事で私がいない間が可哀そうだし手がかかるし習い事なと送り迎えで大変だった。しかし今は可愛さが半減しお世話は激減だ。おかげでこの夏アメリカのドラマ『ブレイキング・バッド』を制覇できた。

 ありがたい話である。



 さて、うちのヤングマンだが少しだけ毎日の勉強時間が増え、少しだけゲームの時間が減った。(今も隣の居間でエルデンズリングというゲームをプレイ中)

 いいことである。

 この夏にしたかった英検の勉強とC言語習得の進捗はイマイチだったようだが、まあいい。

 基本他人事である。

 しかし、ちょっと気になるのがムスコの遊びの内容だ。


 映画・カラオケ


 花火や部活の打ち上げで焼肉に行くくらいで夜遊びもしない。ライブも行かない。

 せっかくの夏休みだから遠方まで自転車旅行するとか、海外に行ってみるとかあるよね?と聞くと、


「めんどい」


と答えるヤングマンである。いっそ連れて行ってやろうかと、じゃあ、バリ島とか一緒に行く?と聞いても、返事は一緒である。

 


 この若者の変化はひとえにスマホの影響が大きいと思う。スマホで全能感を味わう方が身体を使うより快感が大きいのだ。脳が騙されている。支配ハックされている。


 こんなことが心配だなんて小さな悩みのようであるが、子供たちの長い人生で身体的な経験・快感を得る機会が失われていくのは危険だと思う。生きるのが楽しくないし、なにより死ぬ時に後悔しそうだ。


 スマホ多用がドラッグ・タバコくらいの危険物質だと認めて規制する社会が早く来ないと、未来が暗くなると思うのだが、いかがだろうか?


「そんなんどうだってええやん、アンタに関係ないし」


とクールにムスコには言われそうだ。時代が変わった、で済ませていいもんか親としては悩ましいところである。


 夏休みの課題も終わっている模様だし、あと一週間の夏休みを彼はどう過ごすのだろうか。少しは弾けて欲しいと思う、今日この頃の母である。

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