異世界ヤングマン

 理系運動部のムスコ。部活は半数女子の空手部。

 学校での成績は普通の少し下。モテダンたちとカラオケ行ったり大阪に服を買いに行ったり。


 一見リア充に見える彼だが、本当に本当に非リアで非モテある。本人も自覚している。

 先月は男3人、京都で行われたホロライブのイベントに参加して貯金を使い果たしてきた。帰ってきてから戦利品を床に並べて私に見せたのには驚いた。よほど楽しかったのだろう。

 暇があればプレステで原神をしながらスマホで実況中継YouTubeを流しているし、ネトフリで『転スラ』『この素晴スバ』など異世界ものアニメを見ている。(略して4文字にするのが流行っているのか?)

 とにかく異世界が好きなようだ。


 そんな彼は別にオタクであることを周りに隠していないというので驚く。

 聞くと、オタクはいじめや排他の対象にならないようだ。クラス・部活・オタ友等、その時点での気が合う仲間と一緒にいるそうで、それはもう異世界のごとくきっちり区切りがつけられている。

 昔の私は隠れキリシタンのごとくこそこそと友人たちとアニメの話をして、その仲間とだけつるんでいたが、現代は違う。

 人とコミットし過ぎない幸せな時代だといえるし、深い仲間を作らないと言う意味では不安な時代でもある。


「友達は本当に大事にしやんとあかん」と折に触れ伝えているが、異世界に住む彼にちゃんと伝わっているのか。

 不登校も多いと聞くし、いろいろ悩ましい母である。

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