第10話 神隠し(1)
だが、それを伝えると
(余計なことは言わない方が良さそうだ……)
昔から『神域』である山や森、川などでは人が行方不明になることはあった。
街や里から、なんの前触れもなく人が
中世のヨーロッパでも「森には魔女や悪魔がいる」とされていたし、ギリシャ神話のニンフは「人間の若者を、しばしば
日本でも『山の神』や『鬼』などの妖怪の手によって、人が
(放って置いても、帰ってくることはあるが……)
綺華としても、ついこの間【呪い】の被害にあったばかりだ。
じっとはして
取り
しかし『
(ここは強力な助っ人を呼ぶことにしよう……)
俺が
そのタクシーに乗って、駅まで送ってもらっても良かったのだが、俺は助っ人を確保することを優先する。
白鷺女史と別れた後、無事に助っ人も確保。思いの
最近は午後の6時を過ぎても明るかったのだが――
(
学生だからだろうか? こんな時間まで出歩くのは、悪い事をしているような気になってしまう。いや、実際に
家は
予定よりスムーズに事が運んだので、俺の方が早く着いたらしい。
綺華へは「
駅前に立っていた俺の視線の先で、車が停まったかと思うと
どうやら、彼女の方が先に俺を見付けたらしい。
迷うことなく笑顔を向け、上げた右手をブンブンと振ったので、俺も軽く振り返した。
(あまり目立つような事はしないで欲しいのだが……)
俺はゆっくりと彼女の
彼女がドアを閉めると同時に、
保護者として同伴して欲しかったのだが――
(仕方がない……)
俺は事務所の方へ連絡して、誰かに来てもらうことにした。
早速、助っ人の出番――というワケである。
「えへへ♡ お待たせしまたぁ♪」
と綺華。こちらの計画など知らずに、
「二人きりの方がいいかと思いまして」
いやん♡――と言って、
これは
取り
「はい、大丈夫です! 今日の夕飯はミックスフライでした♪」
そう言い
「ここで『寒い!』と答えれば……」
人通りも多いというワケではない。
だが、
ここはアイツの出番だろう。
俺は
サバトラ猫の『タケゾー』である。
「ニャ~♪」(なんだ? メシをくれるのか?)
そんな
そして、問題なく借りることに成功する。
(いや、
家主である女性は重たい感じがするため苦手だったのだが、背に腹は代えられない。ダメ元で訪ねると「あら、キミは?」と家主の女性。
丁度、出掛ける所だったらしく、チャイムを押そうとしていた俺と玄関先で
お洒落をして、明らかに
俺の存在に
ここは俺の方から声を掛けるべきだ。
「実はお願いがありまして……」
そんな俺の言葉を待たずに「ちょうど良かったわ♡」と
機嫌がいいようだ。
日中に会った時と違って、女の顔をしている。
女性は化粧で化ける――と聞くが、そういうのとは別の色気だ。
血色もいいようで、女性ホルモンが活性化しているのだろう。「ちょっと待っていて」そう言うと、彼女は
そして、すぐにドタドタと戻ってきたかと思うと、手にはタケゾーの入ったキャリーバッグと荷物の入った
「1日だけ、預かってもらっていいかしら?」
と聞いてくる。
(普通は持ってくる前に聞くと思うのだが……)
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(,,ΦωΦ,,) どうやら、猫森くんは、
史奈が『神隠し』に遭った――と考えて
いるようです。助っ人(?)として、
タケゾーを連れてきました。😸
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