第1話

ある人、思ひそへどたがひたれば、詠みける


おぼめきて ほくとさやにぞ わすれぐさ などて頼みと 思ひ初めてむ  



「ねーねー、女房仲間のコさ、今度結婚するんだって!」

「へー、そーなんだ。……あ、そだ。お前さ、結婚する時にさ」

「!! うんうん、何?」

「盛大に祝ってやるよ」

「……え?」

「ん?」

「え、だって、私と結婚する、んじゃない、の?」

「……は?」



――――

思ひ寄そへ(ふ):連想する

おぼめく:そらとぼける、よくわからないふりをする

ほく:祝く(祝う)と反古(無駄、不要になったもの)とをかける

さや:はっきりと、あきらかに

などて:疑問、どうして~か

頼み:頼りにすること、その人、もの

そめ(そむ)てむ:~し始めたのだろうか



※不幸な見解の相違です。いち早く忘れましょう。

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