第2話


数日後。




店長の西宮博45歳が珍しく朝礼を開いていた。




「在庫数と売り上げが合わない。おそらく万引きされている」




それを知った五郎は「えっ!」って顔になる。




スーパーオオザキは万引きGメンを雇うほどの余裕がないのだ。




店長が「怪しい人見つけたら言うように」といって朝礼が終わった。






他の従業員もショック隠せない様子だった。五郎は「もし誤認逮捕なんかしたら大変だぜ~」と悟や遥に言った。悟が「でも万引きされて当然ですよ。Gメンもいないしお店はノーマークだし、それにあの混雑なら…」




「悟くんの言う通りだな」




五郎も納得した。










五郎は売り場に戻り「いらっしゃいませ」と言いながらカゴを拭いていいる。


店長から万引きの事を言われてから、全ての客が万引き犯に見えてしまう。


よくマグロが盗まれるとテレビでやっていたのを思い出し、マグロコーナーを見てみるが怪しい客はいなかった。








その日の帰りの更衣室で五郎は悟と服を脱ぎながら話していた。


「店長もあんまりですよね、僕らに捕まえろなんて」すると五郎は「本物のオオゼキは万引きGメンいるのかね?」悟が「本物…ってやめません?僕たちはただオオザキなだけなんですから」




「でもパクリすぎだろ」




悟は何も言えなかった。

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