第26話… 本番

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → 満員御礼 お遊戯ホール


 全園児は もちろん

 誕生月園児の保護者も招待した

 お誕生会



 練習を積み重ねてきたダンスを

 いよいよ披露する







 幕が閉じた舞台の上で

 自然と円陣を組んだ私たち




「楽しもうね(*´꒳`*)」

「「はい!」」




 のんの笑顔が 緊張を解く



 3人が横一列に並んだ





 少しずつ幕が上がっていく




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 暗転のお遊戯ホール



 爆音と共に 賑やかに

 そして 鮮やかに

 色とりどりの光線が交差して

 流行りのK-popの曲が流れる



 舞台下には

 目をキラキラさせた園児たちが

 キャーキャー騒いでいた



「あっ!!!!!のぞむせんせぇが いるよッ!!!!」

「ほんとだ!のぞむてんてぇ がんばれぇ!」

「アミせんせ、かっこいいッ!!!!」

「ぎゃーっ!わたしのマサせんせぇ(*♥д♥*)」

「ちがう!わたしのマサてんてぇだもん!」



 全身鳥肌、武者震い?何コレ…

 …うわあああ(ノ*>□<)ノ



 •*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪



 最初は のんがセンター

 男性アイドルグループの曲に合わせて

 パフォーマンス



 彼を挟んで踊るマサ先生と私は

 足を引っ張らないように必死に合わせる



 目つきは鋭く これぞプロ…

 横目で のん

 たまにチラチラ(/ω・\)


 


 "…かっこいい"


 留学に行く前よりも上達してるのが

 素人の私から見てもわかるぐらい


 帰国した時には もう

 私たちは 離れていたから…


 あの頃よりも磨きがかかったのんの姿…



 "やっぱ すごいよ…フフッ(​ *´꒳`*​)"



 私も負けてられない!

 


 曲が変わると同時に

 ガールズグループの曲に合わせて

 私がセンターに移る


 先程の激しいダンスと違って

 どれだけ 柔らかくしなやかに

 体を動かせるか…



 "あんなに練習したんだ!

 思う存分 楽しむ!!"




 可愛らしく笑顔を振りまいて

 園児たちを誘うような

 視線を送るマサ先生



「ぎゃ──っ!かわいいマサせんせぇ♡」

「や〜ん♡すき───ッ!!!!」



 ステージ下で 曲を知っているのか

 ノリノリで踊り出す園児も ちらほら…



 両サイドにいるマサ先生とのん

 笑顔でダンスしてるのが見えて

 私も嬉しくなる



 "絶対 成功させよう!"



 3人が交互に入れ代わりながら

 Remixされた曲に合わせて舞う


 程よい緊張感の中

 ラストに向かって

 気持ちを昂らせて行った




 最後の曲…

 また別の男性アイドルグループの曲


 締めのセンターは マサ先生



 今回のダンスの練習で

 頭角を現したキレッキレのダンスは

 さらにマサ先生ファンを

 増やしたに違いない



「今、こっちみてウィンクしたぁ♡」

「わたしのほう みたんだよぉ!!」

「きゃ〜♡あいしてるぅ♡」

「マサせんせ、Marry me !!!!」


 女の子たちの

 黄色い歓声も さらに強まった…




 音響操作担当のマミ先生と

 司会の俊先生も感激…


「マサ先生、凄っ!」

「モノホンのダンサーみたいダァ…」




 終始緊張したまま終わるのかと

 思ってたけど

 子供たちの嬉しそうな笑顔にも助けられ

 最後まで踊りきることが出来た



 曲が終わると

 ステージ両サイドに待機していた

 ゆう先生と カナ先生が

 大きなバズーカクラッカーを鳴らして

 無事終演…


【ズバーン・*・:≡☆。.:*・゜】



(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ☆♪

(*´꒳`*ノノ゙パチパチ☆ビックリシタァ…





 幕が ゆっくりと下りる




 ステージの上…

 3人の息遣いが響いた




「マサ先生、最高だったよ!お疲れ様!」


のぞむ先生、ありがとうございました!」


 固く握手を交わし、労いのボディタッチ



 もう 息が出来ないほど

 全力を尽くした私は

 その場で座り込んでいた




「アミ、立てる?」


「うん、立てるぅ〜…はぁ…」


 手を差し伸べたのん


 捕まって立ち上がって

 顔を見上げると



「いや〜楽しかったな!(≧▽≦)」


 のんの笑顔が…


「うん、 ありがとう…っ…」


 

 胸がいっぱいになり 涙が溢れた




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 → ステージで決めのポーズのままの柾國まさくに



 幕が下りる…



 "俺、かっけぇ〜!クゥーッ!!”(*>∀<)o"



「マサ先生、最高だったよ!お疲れ様!」


のぞむ先生、ありがとうございました!」


 息がまだ上がっているのに

 真っ先に俺のところに来てくれて

 ガッチリと握手を交わした



 一方、アミ先生は座り込んでいたから

 声をかけようと近づいたけど

 俺より先に のぞむ先生が助けに行った



「……」



 …最強ライバル、やっぱり敵わない



 クラッカーを鳴らしてくれた

 ゆう先生とカナ先生に 声を掛けた



「最後のクラッカー

 最高の演出でしたね!」


「これ、寝起きドッキリで

 鳴らしてみたいわ(*´艸`)」


「いや、心臓に悪い!

 これで起きたと思ったら

 そのまま天に召されますよ!!」


「次は 園児たちの退場ですね!

 …行きましょう」




 ほんの少しの間でも

 アミ先生とのぞむ先生を

 2人きりにしてあげたい…



 "気の回しすぎか…"


 足早にステージから降りて振り返ると…




「・・・・・・ふふっ…ヨシッ!!」

 小さくガッツポーズ(๑˙³˙)و



「マサ先生、かっこ良かったぞ!」

「ホント 子どもたち大喜びよ!」

「ありがとうございますっ!」


 ゆう先生に肩をバシバシ叩かれ

 カナ先生に おしりをペツンと叩かれ

 お遊戯ホールへ移動した




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 私は胸がいっぱいになり

 涙をこぼしながらお礼を言った



 笑顔のまま片腕を伸ばしたのん

 私を引き寄せた



 後頭部をポンポンと撫でながら

「良くやったよ、アミ!頑張ったな…」



 ダンスの達成感もある


 だけど 今日まで

 サトちんのこととか

 色んなことがあったから


 表に出しちゃいけないと

 蓋をしていた感情が

 溢れ出した瞬間だった



「…っ…うっっ…ぅ…」



 少しだけ…のんの胸を借りた




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → お誕生会から1週間後…



 園児降園後の職員室では

 私たちのダンスが相当良かったらしく…



「どうする?しゅん先生…

 あのダンス見ちゃったら

 次、何していいか検討もつかないわ…」


「だよなぁ…どーしよ(´-ω-`)」



 次回の

 お誕生会プレゼントコーナー担当の

 俊先生とカナ先生は腕を組んでうな



「ハードル上げすぎちゃって

 すみません(/ω\*)」


 マサ先生が照れている



「あ、そうだ!アミ先生!」


「はい?」


「3人で打ち上げする話、どうしましょ!」


「あぁ〜私は いつでもいいよ(*´꒳`*)」


「彼氏さんに 承諾得ましたか?」


「うん 大丈夫よ!」


「あまり遅くならない方が良いですよね

 場所、どこが良いですかね〜( ̄-  ̄ ) ンー」


「あ!…マサ先生、ケーキ好き?」


「大好きですっ!!」



 ・・・・・・

 職員室が シーンとなった…



「あれ?皆さん どうしました?」

 キョトン顔のマサ先生



「とうとう アミ先生に

 告ったのかと思った…( ゚∀ ゚)」

 と、ゆう先生がビックリしている


「…(/// ^///)ち、違いますよ!」


「な〜んだ、つまんないなぁ(*°∀°)・∴ブハッ!!」

 俊先生が 吹く


「こんなイケメンに"大好きです!"って

 面と向かっていわれてみた〜い♡」

 マミ先生が言うと



「だ、大好きです!」


 ・・・・・・・・・


「(・д・)チッ…」

 マミ先生が小さく舌打ちをした


「お前 イケメンちゃうやろ 郷布ごぉふ!!!!」

「痛いっ!叩くなよ!」


 カナ先生と郷布先生のド突き合い




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 一方、その頃 さとしは…



 → 支店長と会議室にて




「S市に 行かせて頂こうと思います」


「そうか…返事を急がせてしまって

 すまなかったね…なるべく早く

 こっちに帰って来れるようにするよ」


「いえ…そこは大丈夫です」


「向こうも 羽玖井はくいくんが

 いつ来てもいいように

 受け入れ体制 整ってるみたいだよ」


「そうですか…

 じゃあ、早めに出向いた方が良いですね」


「そう言って貰えると助かるよ!」



 早くここから離れたら

 きっと 忘れるのも早いから

 帰るところは…もう無いし…




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 事務所に戻ると

 ユマ先輩と目が合った

 にっこり微笑みかけられる



 "こっちも早い方がいい…"




「……ユマ先輩、ちょっと良いですか」


「えっ!私…( ゚∀ ゚)」




 先輩を 休憩スペースに呼び出した

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