第14話… 愛しい人


 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ダンスの練習が終わって

 スタジオを出て

 先程のサトちんからのメッセージに

 返信すると サトちんから着信


 …ドキドキした



「アミつん、今すぐ会いたい!」…



 顔が熱い…!(/// ^///)

 早く帰らなきゃ!




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → アミとの電話を切ったさとし



 お迎えも しばらく行かないから

 昨日から残業していた



 "寂しい"…なんてメッセージを送ったら

 迷惑かもしれないなぁ…


 仕事をしながらも

 アミつんに想いを馳せた



 返信はまだ来ないだろう…



 見えるところにスマホを置いて

 仕事をしていると

 "今帰るところ"って返信が来たから



 "…声が聴きたい"



 電話をするために

 事務所から 休憩フロアへ走ってきた




 土日は会えないにしても

 ほぼ毎日のように顔合わせてたから

 たった1,2日で コレか〜(ノ∀`笑)


( ゚∀ ゚)ハッ!

 会いたいって言っちゃったけど…


 アミつんのことだから

 無理してる?


 今日は木曜…

 金曜日に泊まるって言ってたのに

 我慢できなかったぁ(´▽`*)アハハ



 疲れてると思うから

 今日は…顔を見るだけ…




「よし!帰ろうっ!」


 


「あれ?もう帰るの?」


「あ、ユマ先輩!はい、帰ります!」


「何だ〜帰っちゃうのか…

 これ、一緒に食べようと思って

 買ってきたのに〜」


「すみません!

 これから彼女と

 会えることになったんですよ!

 仕事でしばらく

 帰りが遅いって言ってたので

 諦めていたんですけどね〜

 "会いたい"って…

 言ってみるもんですね!( ˆ∀ˆ )エヘヘ」



「……そうだったの、良かったじゃん

 ほら、早く行けば?」


「はい!じゃあ、お先に失礼します!」


 ε=ε=٩(๑・∀・)۶





 *・゚・*:.。.*.。.:




 → 走っていく智の背中を見ているユマ




「………チッ…」





 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆



 2年前 お昼休みが終わり

 会社の女子トイレで化粧を直してたら



 "そういえば、聞いた?

 可愛らしい男の子が中途で入るみたいだよ"


 "何?可愛らしいって…(ノ∀`笑)"



 そんな噂を聞いて まもなく

 ウチの課に所属になった

 羽玖井はくい さとしくん…



 "可愛いって…あぁ なるほどね"




 確かに この 彼の雰囲気に

 勘違いする人がいるかも




 教育係を任された私は

 なかなか課に馴染めない彼を

 私なりにサポートして

 大事な仕事も任せられるくらいに育てた

 今じゃ、この課になくてはならない存在


 世話をするうちに

 人懐っこい彼の性格や

 フワッと周りを

 あったかくするような笑顔に

 どんどん惹かれていった


 私は、あくまで先輩だから

 そういう感情は、持っちゃいけない

 心にブレーキをかけていた




 ある日の休憩中



「ユマ先輩に相談があるんですけど…」


「どうしたの?仕事のこと?」



 聞くと 気になる年上の女性がいて

 どうやってご飯に誘ったら良いのか

 わからないという



 "…もしかして、私のことだったり?"



 年甲斐もなく ワクワクして



「帰る頃を待ち伏せして

 そのまま 手を引っ張って

 ご飯に連れて行っちゃえば?(*ˊ艸ˋ)♬*」



 "私だったら嬉しいシチュエーション"を

 答えてみた


 いつ誘ってくれるのかな?

 なんて…

 ちょっと期待していたのも つかの間



 気になる女性は

 智くんが 酔いつぶれた飲み会の時に

 家に泊めてくれて

 介抱してくれた人だって



 あの飲み会の日は、密かに

 智くんと2人きりになる時を

 狙っていた


 一次会が終わって店の外に出たら

 既に智くんが居なくて…




 もし あの日

 介抱した相手が この私だったら…




 純粋なのは 良い事なんだけど

 私が好意を持ってることも知らないで

 相手のオンナの詳細をペラペラと…



 私と同い年の幼稚園の先生…


 しかも…付き合ったって…




「別れちゃえばいいのに…(ボソッ)」




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 → 早く会いたくて走った智



 アミつんのマンション前

 息を整えて



 ピンポーン.•♬




 ……あれ?

 僕の方が先だったかな?



「サトちんの方が早かったか!」


 後ろから声が聞こえて振り返る



「おかえり サトちん!( ˆ∀ˆ )」

「おかえり アミつん!(*´꒳`*)」



 部屋に入ると

 アミつんを抱きしめる




 僕の 愛しい人…



「サトちん…」


 アミつんの腕が

 ゆっくりと僕の背中に回る


 会えたことが嬉しくて

 暴走しそうな気持ちを抑えて

 明るく振舞った



「お久しぶり〜!元気だったぁ?」

「(´▽`*)アハハ…元気、元気!」



 体を離してアミつんを見つめる


 ホントは顔を見るだけって

 思っていたけど



「今日…泊まっていい?…」

「うん!」




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 汗をかいたからと

 アミつんは シャワーを浴びている


 ソファーに座って

 紅茶を飲んでる僕…



「………」



 やっぱり泊まるのは良くないか…

 明日も平日…



 仕事が終わった後

 迎えに行かなくなって


 アミつんと過ごす以外に

 何をしたらいいのか

 正直 わからなかった


 どんだけ

 アミつんのことが好きなんだ?


 重いよなぁ〜( ´△`)アァ-





 ━━ It’s オオカミ It’s オオカミ.•♬

 Yeah! Yeah! Yeah! Yeah!

 ブラ〜ン ボロン ボロン♪♪

 ブラン ボロン ボロン グィーン♪♪ ってな!



 替え歌っ!



 ━━ 流行ってた歌を

 オオカミver.で歌ってみたっ(「 >∀<)「ガオー



 何チャレンジだよ、それ!!はぁ(。´-д-))

 ……アミつんは疲れてるんだから

 今日だって…きっと寝落ちだよ



 ━━ お前さぁ…

 アミつんつんは もうカノジョなんだぞ?

 そんな遠慮しなくたって…



 アミつんつんって…



 ━━ おっ!戻って来るぞ、つんつんが!

 オレ様が あとで

 つんつくつんをツンツンして…



 原型無いだろ!

 つんつくつんをツンツンて!!!




 ガチャ…



「お先にごめんね!

 サトちんも良かったらシャワー入って…」


「…は、はいっ!」



 フワッと甘い香りを漂わせて

 ソファーに座る僕の横を

 アミつんが通り過ぎる


 冷蔵庫から飲み物を出して

 喉を鳴らして飲んでいる



 ムラァ……



「・・・・・・」


「ゴクッ…ん?どうしたの?」


「顔も見れたから 帰るよ…(*´꒳`*)」


「えっ…」



 鞄を持って玄関に向かおうとした



「さ、サトちん!

 たくさん気を遣わせちゃってるよね!

 でも 遠慮はしなくていいんだよ!

 私たち 付き合ってるんだから…」


「はぁ〜…」



 アミつん…僕の考えてること

 わかっちゃうの?



 大きなため息をついて

 アミつんに近づいて ぎゅっと 抱きしめた



「僕の愛は重たいよ?いいの?」


「ふふっ…大丈夫!(´∀`*)ヶラヶラ」


「…寝かせないかもよ?」


「1日くらい寝なくても平気…」


「急いでシャワー浴びてくる…」


「寝落ちしないように

 こんな感じで待ってる(⊙_⊙)ミテヨホラ」


「アハハ(´∀`)」





 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 そして僕たちは

 やっと…ひとつになった



 散々"待て"を食らったオオカミ



 ━━ よっしゃ!いっちょ荒れるぜぇ!!!!

 オレ様を止めてみやがれぇぃぃ!!!!!




 大暴れ…



 枕元には 前にコンビニで買った

 コンちゃんアソート


 未使用と使用済みが

 無造作に散らばっている



「はぁ、アミつん好きっ…」

「っん…サトちん、あっ…」



 妖艶に乱れる彼女を見下ろすと

 背筋がゾクゾクした



「ここかな?…」


「んぁっ!!!」



 やばい…腰が止まらないっ…


 全部 吸い尽くされたい…



 見つめ合うと 溶かされる

 アミつんの潤んだ瞳に

 愛しさが込み上げてくる




 少し開いた唇を塞いで

 舌を絡めてたら

 ゾワゾワっと…オオカミがっ…



 ━━ そろそろ 発射準備っ、グアッ!!!!!


「ぅっ、っ…ぃ、くっ…」



 僕にしがみついた

 その細いカラダを強く抱き返して

 深いところで解き放った



「サトちん…っ…ハァ…」


「ごめんね、無理させちゃった…」


「だいじょぅぶ…スー( _ _)zzz」


「寝ちゃった…」


 しがみついたまま寝息を立てる彼女を

 ギュッと抱きしめると

 僕も いつの間にか意識を手放した




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 翌朝…



 目を覚ますと

 ベッドの端に腰掛けて

 下着を身につける アミつんの後ろ姿



 そっと腕を伸ばして

 後ろから抱きしめる



「うわぁ!びっくりした!」


「おはよ、アミつん…」


「おはよ!」


「今日も仕事帰り

 まっすぐ ここに来ていい?」


「うん、元々泊まるって言ってたもんね!

 今日は 早めに帰るよ!」


「夜は何食べたい?

 あ!仁兄さんにテイクアウト頼もうかな」


「おお!いいね!!」




 朝起きて 一番最初に飛び込んでくる

 愛しい人の姿…


 なんかいいなぁ…こういう朝…




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 交代で顔を洗って

 洗面台の鏡の前に

 並んで映る 歯を磨く 2人


 磨きながら

 モゴモゴ会話したりして





 金曜日 幼稚園はお弁当の日

 アミつんが僕にも

 お弁当を作ってくれた


 覗いてみたら



「見ないでぇー!」と

 ド突かれて2人で笑う



 家だったら

 ほとんど食べない朝食を摂って



 一緒に部屋を出て ドアに鍵をかける



 幸せだなぁって思った…



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