第4話… サトちん と アミつん

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 → お迎え彼氏(?)



 ここは 幼稚園にほど近い

 僕とアミつんが出会った公園…




「今日は、どこに食べに行くの?

 サトちんが連れていってくれるお店って

 当たりが多いよね!」


「ホント?そう言ってくれると嬉しいなぁ!

 ん〜…( *¯−¯ * )じゃあ…

 今日は居酒屋に行ってみる?」


「お!いいね!」




 "夜道は危険だから送らせて"

 …なんて理由をつけて

 僕は毎日 彼女に逢いに行っては

 ご飯を一緒に食べる




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 アミつんと知り合ったのは

 半年前…まだ日は浅い…




 酔い潰れた僕が

 この公園のベンチで

 項垂うなだれていたのがきっかけで…




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




「うぅぅぅ…飲みすぎたァ( -ω- ) ンー」



 一次会で たくさん飲まされる

 3ヶ月に1度やってくる、課の飲み会


 毎回、くじを引いて席を決めるけど


 あの日は 運悪く

 パワハラ課長の隣の席を

 引き当ててしまった…



『俺のついだ酒が飲めないってか?

 あぁァ?…おぅおぅ…

 ちゃんと飲めるじゃねぇか!』


 愛想笑いしながら

 注がれるまま

 ぐびぐび飲んでフラフラに


 二次会に連れていかれそうになったけど

 千鳥足で 何とかそこから逃れて

 ここの公園のベンチに倒れ込んだ




「世界がぁ〜♪♪

 ぐるぐるって回ってるぅ〜♪♪(′∇`)アハッ」




( ⋆͛‪‪*¯ ꒳¯*)ニヤァ〜



 ...(lll-ω-)スン



(´>∀<`)ゝ))エヘヘ…



 ‪( ˙꒳​˙ )‬スン…



(-ω-;)アレ?



(⊙ω⊙;;)ヤバイ



( ´^`° )ウッ…



(*゚Д゚))オォォ...



(*゚・゚)ンッ?



(´;ω;`)ウッ…




(。´-д-)ハァ-



(>Д< *)ヤダァ…




 こんな状態を繰り返して

 ぐでぇ〜ってなってたら



「あのぉ…大丈夫ですか?」



 そこに声をかけてくれたのが

 帰宅途中に

 この公園を通りかかったアミつん



「へ?あぁ〜♪♪

 で〜んでん だぃじょんぶで(*>∇<)ノ…ぇ…

 …('﹏*๑)ウッ…ダメだ」



「え?吐きそう?…あぁッ!!!!」



 _| ̄|〇、;'.・ オェェェェェ…



 背中を摩ってくれた温かい手…

「大丈夫ですか?」



「だいじょぶぁないですぅ〜っ…

 ひんっ…。・゚・(*ノД`*)・゚・」


「えーっ!泣いてる?!」


「気持ち悪っ…まぁ〜って…でるっううぅ」


「ちょっと ごめんね!」



 手早く、ネクタイをとって

 ワイシャツのボタンも

 何個か外してくれたみたいで



「いいよ!全部吐いて

 スッキリしちゃえ〜(*´꒳`*)」




 なぜか、僕は彼女に…



「手、握ってて…」




 イイ歳して

 こんな恥ずかしいことを言ったらしい



 アミつんは手を握ってくれて

 もう片方の手は

 背中を摩ってくれた


 何となく…ぼんやり記憶に残ってる…




 そして 安心して 2回目のリバース!


 _| ̄|〇、;'.・ オロロロロロロロォォ…





 このあとの僕は どうなったのか…




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 カーテンの隙間から陽射しが差し込む

 眩しくて 目を開けると

 見覚えのない部屋のベッドの上で

 横になっていた



「・・・・・・ん?・・・」



 ここ、どこだろう…



 ゆっくりと体を起こすと

 身なりを確かめる


 スーツのズボンは履いたまま

 ワイシャツも着ている


 ジャケットとネクタイは

 ハンガーに掛けられていた



「喉が痛い…頭も痛いぃぃぃ…」



 えっと…昨日は飲み会で、その後…

 うっすらとした記憶を辿りながら

 その部屋のドアを開けると



「あ!おはようございますっ!!(*´꒳`*)」


 元気な声にビビる



 (゚ロ゚;ノ)ノ ビクッ!

「あ、あなた 誰ですか?!」


「この部屋の主ですけど?」


「うわっ!…やっちゃった?

 もしかして 僕達…シちゃった?

 ごめんなさい!

 記憶になくて、わぁ…どうしよう!

(¯□¯ )ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」



 動揺して どう謝って良いか 分からなくて



「パニクってるね(´▽`) アハハハ!

 何も無かったから安心して!

 それより体調どう?

 何か食べられそうかな?」


「はっ?!!い、いや、帰ります!

 ごめんなさい…迷惑かけて…」


「こっちこそごめんね!

 なんだか放っておけなくて

 吐いたあとに

 公園のベンチで寝ちゃったから

 このままだと風邪ひいちゃうと思って

 連れて帰ってきちゃっ…」


「ぼ、僕が危険な男だったら

 どうするんですかっ!!??

 親切に助けて襲われたら

 元も子もないでしょ!ヽ(`Д´)ノ

 ぉ…男は オオカミなんだぞぉ!」



「なんで私が

 怒られなきゃならないの…(⊙_⊙)?!」


「( ゚∀ ゚)ハッ!…ご、ごめんなさい…」


「……(*°∀°)・∴ブハッ!!w

 男はオオカミって…何?アハハハ!

 こんなに可愛いオオカミいるの?

 アハハ!腹痛いって。゚(゚ノ∀`゚)゚。ブガァ

 ちょっとぉ!鼻鳴らしちゃったじゃん!

(*´∇`*)っアハハハッ!!!」


「か、か、可愛いだとぉ!<(`^´)>」


「可愛いよ(*ノД`*)・゚・。アハハ…

 笑いすぎて涙出てきちゃった!」


「今どき言わないか、オオカミって…

 アハハハ(´▽`*)」



 つられて笑って…

 なんだか このやり取りが 楽しくて


 感じのいい人だったから

 日を改めて

 介抱してくれたお礼がしたいからって

 しつこく連絡先を聞いたら

 "そういうの しなくて良いから!"って

 ピシャリと断られた




 あの時の僕は…

 恥ずかしいほど積極的だった



 やっと彼女が折れて

 連絡先を教えて貰って

 調子に乗って

 お互いの呼び名を話し合って…



 "アミさん"って呼べば

 年上感が出て嫌だと言われ…

 "アミちゃん"って呼んだら

 そんな可愛い年頃じゃないと言われ…

 "アミつん"って言ったら

 大爆笑されて気に入ってくれた



 "サトちん"と"アミつん"…



 僕達は

 "飯トモ"の関係になったんだ…けど…


『割り勘厳守』っていう

 おかしなルール作られちゃって


 お礼も何も…

 今の今まで 奢ったことがない…




 今日こそは…



 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:



「サトちん、ここの居酒屋も

 大当たりだわ!美味しかったぁ…」


「でしょ!」


「( ´0` ).。oふぁ〜」


「眠たくなった?

 もう、会計済ませてあるから

 出ようか!(*´罒`*)」


「あ!いつの間に!」


「いいからいいから!行くよ!」




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:



 彼女が早起きしていることも

 子どもたち相手に

 めいっぱい体を動かしていることも

 僕は知っている


 幼稚園での出来事を

 いつも楽しそうに話してくれる

 それを聞いている僕も楽しくなる




「サトちん?」


「え?」


「はい、ご飯代!」



 そういうと 素早く僕が着てる

 ジャケットのポケットに

 お金を突っ込んでくる



「あ〜!要らないって〜!」


「割り勘厳守よ!」


「どうして奢らせてくれないの!」


「今度、奢ってもらう!(*´꒳`*)」


「いつもそれ言ってるけど?」


「ふふふ(´∀`*)」



 こうやって 嫌な顔しないで

 ご飯に付き合ってくれる



 いつからか…僕は…

 そんな気さくなアミつんのことを…



 勇気がなくて言えないけど


 毎日 会いたいから


 僕は 迎えに行くんだ…




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 翌土曜日の朝…



 僕は 会社に行く



 要領が悪いから いつも残業しそうになる


 アミつんに会いたいから

 平日は いくら仕事が残っていても

 定時に会社を出る



 毎週土曜はサービス残業だぃ!



 誰もいない 静かな事務所の方が

 仕事もはかど


 平日みたいに無駄な仕事を

 押し付けられることもないし(◦`꒳´◦)フンッ



『この調子でやれば

 昼過ぎには 帰れそうだなぁ…』


 黙々と仕事をしてると



 ガチャリ…

 事務所の扉が開いた



「あ!智くん居たの?」


「ユマ先輩!どうしたんですか?」


「ちょっとやり残したことがあって…

 智くんは?」


「僕もです(*´꒳`*)」



 ユマ先輩には

 色々とお世話になっている

 中途入社したてでオドオドしていた僕に

 声をかけてくれて

 事務所にも馴染ませてくれた

 仕事も手伝ってくれたりして

 足を向けて寝れません…



「最近どうなの?あのカノジョとは…」


「相変わらず "飯トモ"止まりですよ!」


「毎日のように迎えに行ってるんでしょ?

 いい加減 気が付かないかな〜?

 そのカノジョも鈍感だよね!」


「いや、僕が会いたくて

 勝手に迎えに行ってるんで

 気が付かなくてもいいんです…アハハ…」


「私なら こんな可愛い男の子が

 毎日来てくれたら嬉しくて

 仕方ないけどなぁ〜」


「そんなに可愛いですか、僕(´∀`*)ヶラヶラ

 アミつんにも よく言われるんですよ〜

 エヘヘッ(///∇///)ゞ」


「……へぇ〜そうなの…」



 仕事の面でも

 プライベートな悩みにも

 親身になってくれる優しい先輩




「まぁ〜頑張って!

 これからも相談にも乗るし…ね!」


「いつもありがとうございます(*´꒳`*)」




 僕は幸せ者だ(*´-`)





 来週は、どこに食べに行こうかな〜

 仕事終わったらリサーチだな…



「(*´艸`)エヘッ」



「………」

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