第33話 聖剣の勇者
カイトがコカサイトオンラインを始めたのは幼馴染である瑠奈に誘われたからであった。今まで人並みにはゲームをプレイしていたカイトは初期スポーン位置を何となくランダムに設定し、最初に目覚めた遺跡?の中にあった聖剣を引き抜き、これまた遺跡にいたモンスターにキルされて始まりの町、アインスでスポーンした。
死んでリスポーンしたときはそれなりに悔しかったが、自分の獲得した「聖剣エックスキャニバー」がかなりの壊れ性能であることに気が付きそんな思いはすぐに霧散した。
そしてその聖剣を使い、瑠奈………ウィーニャとともにゲームを楽しんでいた。
「あんた………ユーザーネーム「カイト」って、そのまますぎでしょ………」
「あはは………」
言われて初めて気が付いた。そう言えば授業で言われたネットなんちゃらとかの観点から、本名でゲームをするのはあまりよくないのだったかな?
□
「じゃあ、私もそのゲームをやるわ!」
ウィーニャとCkoをやりだしてから数日たった頃、部活の先輩にそのことを話したらそんなことを言いだした。
「え、そりゃあ大歓迎ですけど、そもそも先輩ってゲームするんですか?」
「あまりやらないけれど、かいと君が教えてくれるのでしょう?」
「ええ、まあいいですけど………」
ゲームをあまりしないのにいきなりVRMMOなんてやれせて大丈夫だろうかとは思ったが、先輩が妙にやる気であったし、問題ないのだろう。
そのことを知ったウィーニャは少し機嫌が悪くなった気がしたが、気のせいかな?
あと、なんだかよくわからないけど、妹まで一緒にやることになっていたのには驚いた。
□
そして迎えた第一回イベント。俺たちは気合十分でこのイベントに臨んだ。
「さーて!やるからには優勝するわよ~!」
「ははは、ウィーニャはいつも一生懸命だな」
「えへへ………」
「ほらカイト君、さっさと行きましょう?ルール的に無駄にしていい時間なんてないはずよ?」
「ちょっ!先輩!?」
「あの!上条s………じゃない、スカーレハットさん!カイトが嫌がってると思うんですけど!?」
「あらあら、そんなことないわよねぇ?」
「えぇ……」
「まったく、お兄ちゃんは今日もモテモテだなぁ~」
そんな風に始まった第一回イベントだが、なんと俺たちは見事一位を取ることができた。途中で協力してくれたプレイヤーのおかげって部分も少しあるが、それでも一位ということでとても嬉しかった。
商品の秋月シリーズは正直聖剣よりも強い気がしなかったので他の三人の内誰かにあげようと思い、そう提案したのだが、誰が受け取るかで喧嘩に発展していた。主にウィーニャとせんぱ…スカーレハットがすごい勢いで言い合っていたが、そんなに喧嘩するほど欲しかったのだろうか?ウィーニャはともかく先輩もそんなに強い武器に固執するということは、ゲームにはまってきている証拠かな。
「お兄ちゃん………」
そんなことを話したら妹にため息をつかれた。これが反抗期というやつか?
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