マウント転職をするなら、どっち?「金持ちとバーサーカー」転職したら、逆ピンチ?
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 経験値をつんでレベルアップしたバーサーカー、新必殺技を覚える!
勝手にはやらせたい、この言葉。
「逆逆マウントをとる」
「マウントをとる」っていう言い方は、こんな意味で使われて有名だろう。
「こちらのほうが立場や経済力が上なんだと、相手に示すこと」
自慢に、似ている。
「対戦ゲーム、やる?」
「いや、パス」
「何で?」
「うちの嫁(よめ)に聞かないと、いけないから」
「へえ」
「子どもを塾に迎えにいけって、うるさいんだ」
「それ、マウント?俺はいそがしい家庭持ちだって、言いたいのか?」
イラッ。
結婚したくてもできなかったり、子どもを持ちたくても持ちにくい世代が聞くと、痛い言い方。
「腹が立つな」
コンプレックスを、刺激された気になるので。
ちなみに~。
「うちの嫁(よめ)」
「俺の嫁(よめ)」
そういう言い方は西日本に多くて、東日本では元々、他人に使うものだったんだぞ?こんな、感じで。
「あいつの嫁(よめ)ってさ」
言葉は変わる。
TVやネットに出る関西芸能人の影響も、あるだろう。
さて…。
次は、異世界での話。
「あのさ。冒険者のための預かり所を、閉めようかと思う」
「何で?」
「通販で買った物を置きすぎて、店がせまく感じるから」
「それ、マウント?買えるだけ、金があるわけか」
「…」
「さては、金持ち転職?」
「…」
「そうだ。転職といえばさ」
「何だよ」
「お前、バーサーカーに転職したらしいなあ」
「ああ」
「魔法がかかってスイッチが入ると、ターゲットをボコボコにするわけ?」
「まあな」
「じゃあ、預かり所にきてくれ」
「?」
「やさしい派の俺には、無理だから」
「はあ?」
ちょっとムッときた、片方の男。バーサーカーになる魔法をかけてから、預かり所へ向かう。
「ウオオオー!」
預かり所を破壊するまで、30分かからず。
すると、バーサーカーをつれてきたほうがニヤリ。
「ありがたいぜ。解体する手間が、はぶけた。コスパもタイパも、良い」
しかしそれが、バーサーカーに聞こえてしまった。
「今、何と言った!」
怒ったバーサーカーが、剣をふりかざす!
と、ちょうど魔法がとけた。
「何するんだ、バーサーカー!」
「あ、やめて!」
「マウント返しだ~!」
ざっくり。
元預かり所は、バーサーカーの眠る墓になりましたとさ。
「逆逆マウント」を、とられた?
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