第十話

キャンプ場についた!


みんなテントを張ることに全力を注ぐ。


「今日のキャンプ飯何にする予定?」


「今日どんな話する?」



みんな思い思いに楽しそうだ。



そんな中、わたしは1人そわそわしている。



樋口くんは遅れてくるのできっと夕ご飯くらいの時間になってしまうかもしれない。




今日のキャンプ飯は男性もいるので、カレーとメスティンで簡単に揚げられる串揚げにする予定である。



串揚げをつまみにお酒を飲もうってみんなで盛り上がった。




さあ、夕飯時になりそうなのでみんな夕飯の準備にいそいそと取りかかろうとする。





そこへ、


「ごめん、遅くなった。

ビール買ってきた!」



と樋口くんが登場した。



みんな樋口くんの登場とビールが飲める喜びに歓喜するのである。



「お疲れー」



「おう!」



と永田くんと短い挨拶を交わして樋口くんも料理の準備に取りかかる。



楽しい!

キャンプって楽しい!



と私は心のそこから思った。



夕飯も出来上がり、飲める人は串揚げ片手に晩酌をしている。



私は強くはないけど、飲めるので嗜む程度アルコールを摂取する。




「なんだか、高校に戻ったみたいよな?」




「うんうん!

楽しい」



とみんな酔いが回ってきたところで楽しく会話する。




酔っ払ってくるとみんな遠慮がなくなり、



「樋口くん今彼女いるの?」



「ん?いないよ!」




と私にとっては目から鱗な情報が入ってくる。




『彼女いないんだ』



と内心喜んだのはわたしだけじゃなかったようで!



「じゃあ彼女候補になる!

いや、彼女になる」



本気なのか、酔っ払ってるのかわからない女子の宣言に笑ってやり過ごす樋口くん。



『本当はどうなんだろうな?

昔の約束覚えてるのかな?でも聞く勇気ないな』



とぼんやり串揚げを食べながら思っていた。




カレーは美味しくできたところと水っぽいカレーになったところがあるのは学生時代から変わらない。





「倉敷、そういえば彼氏いるの?」



と直球ストレートな質問が永田くんから飛ぶ。




内心、『永田ぁー』



と思ったが、、、、



「ううん、いないよ。」



「そうなんだ!てっきり彼氏とかいると思った」



余計な一言を悪気もなく言う人はどこにでもいる。



ナイスなことも言うけど、タイミング悪いよと言うことも言うのが永田くんであった。




「じゃあ俺たち付き合おう?」




「嫌だ!」



お酒が入ると訳のわからない告白が始まるのはなぜだろうか?



そんなことで夜は更けて朝になるのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る