第三話
同窓会に参加する前に友達と一回会ってゆっくり話をしようと誘われた。
私は快く承諾した。
友達に会うのも高校を卒業してから久しぶりになる。
私はアルバイトで生計を立てるようになってなんとなく友達と距離を置いていた。
別にアルバイトが悪いわけではない。
立派に働いていることには変わりない。
しかし、なんとなく距離を置きたかった。
友達は違う友達も誘うから軽い『女子会』をしようよーとノリノリである。
私はなかなか女子の集まりというのが苦手ではあったが…ここは参加しないわけにはいかない。
快く承諾してしまったのだから。
でも『後出しジャンケン』的に女子会にするのはどうかと思ったが、友達と2人きりで会いたいわけでもなかったので『まあいっか』の境地である。
女子会に何を着ていこう?
着ている服で生活が見え隠れするのは女子あるあるである。
気合いを入れていっても浮く。
しかし、垢抜けてない芋女で行っても浮く。
さあ?何を着ていこう
アウトドア用品店で働いているとどうしてもカジュアルな服装が楽になりつつある。
みんな可愛い服装で来るかな?
スカート穿くのが理想かな?
一応『女子会』なのだから。
ちょっとおしゃれなレストランで女子会は催されるようである。
やっぱりスカートだよな…
スカート最近穿いてないな!
メイクも女子会使用にしていかないと
と紗羅自身が、楽しみにしている自分自身に驚いた。
時は過ぎ、女子会当日。
友達が声をかけた綺麗に着飾った女子たちが数名集まる。
「久しぶりー。
元気にしてた?」
と一通りの挨拶を済ませて
ワインを嗜みつつ、料理を口へと運ぶ。
『美味しい!』
と心から思った。
女子たちのお口にあったようで口々に
『美味しい!』
が聞こえてくる。
ある女子が
「そう言えば紗羅と樋口くんって結局付き合ってたの?」
お酒が回ってくるとみんな遠慮なく質問してくる。
「え?
付き合ってないけど?」
と紗羅が答える。
「みんな、付き合ってると思ってた。
だから樋口くんのこと諦めたって女の子多かったと思うな!」
玲央くん…いや、今は樋口くんはとても優しくてある一定数の女子からは人気があった。
私も好きだったのだから、同じ気持ちの女子がいてもおかしくはない。
「でも付き合ってなかったし、卒業以来会ってないよ」
と手短に答える。
「そう言えば!樋口くん、今なんの仕事してるって言ったかな?」
こういう時の女子の情報収集能力は凄まじいものがある。
「ああ!そうだ!思い出した!」
「今は…」
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